「……うん。
 聞こえてた、
 凪も、だよね?」


 私は。
 驚きを超え。
 なっている、わけがわからない状態に。


「なんていうか、
 頭の中に響いてきたという感じ?」


 ああいう感覚も。
 同じようなものなのかな。
『聞こえた』
 そういうことと。


「透き通った声だった。
 男の人の」


「男の人?
 女の人じゃなくて?」


「えっ?
 女の人?
 凪は女の人の声だったの?」


「どういうことだ?
 俺と楚良(お前)
 違う声から説明を受けたということなのか?」


「そうだとすれば、
 説明の内容も違うということ?」


「それは、わからない。
 だから、
 お互いが聞いた内容を確認し合う必要がある」


「そうだね」