「……楚良(そら)
 聞こえてたか、お前も」


 頭の中に響いていた不思議な声。

 その声が聞こえなくなり。
 十数秒の沈黙。





 それを少しずつ開くように。
 静かに声を出した、凪。



 こんなときでも。
 冷静な凪。



 確かに。
 凪は普段からクールだけど。

 こういうときも。
 クールなんだ。