「(勝負の)結果はドロー。
 だから、
 楚良(お前)の勝ちではない」


「あのさ、西園寺。
 さっきから思ってるんだけど、
 今、その話は全く必要ないでしょ。
 状況を考えなよ」


「何言ってんだよ、楚良(そら)
 これは重要なことだ」


「西園寺、
 あんたが言っていることは
 無茶苦茶すぎる」


「無茶苦茶なことではない」


「はぁっ?
 まったく、
 話にならない、西園寺(あんた)とは」


「俺は正論を言っているまでだ」


 西園寺(こいつ)
 救いようがない、本当に。


 西園寺のどういうところが救いようがないのか。

 それは。
 西園寺のこういうところ。


「こういうことは、きちんとしておかなければいけない。
 俺たちクラス内の過ごし方を左右する
 大切なことなんだからな」


 続いている、まだ。
 西園寺の話が。


「高校生活というのはさ、
 青春という貴重な時間でもあるんだ」


 語っている、一方的に。
 西園寺が。


 あぁ。
 止めてぇ、誰か。