凪碧音。
偶然だけど。
凪の下の名前は。
同じ漢字、私の下の名前と。
書く、『碧音』と。
読み方は。
凪の『碧音』は『あおと』。
私の『碧音』は『あのん』。
なんだか。
不思議な感じ。
同じクラスに。
同じ漢字で書く名前。
いる、そういう人が。
世間は広いようで狭い。
思える、そういうふうに。
下の名前に。
ある、共通点が。
そんな凪碧音は。
学業の成績はトップクラス。
スポーツ万能。
芸術のセンスもある。
それから。
トップモデル並みのイケメン。
クール。
隙が無い。
何をしても様になる。
それだからだろう。
クラス内だけではなく。
学校中の女子たち。
彼女たちの多くが。
見かける、凪のことを。
そうすると。
現れた、トップアイドルが。
それと同じくらいの黄色い声が飛び交っている。
そういうことも理由の一つだろう。
凪は。
一目置かれる存在。
なんといっても。
西園寺と松浦さん。
あの二人が。
できない、何も。
凪に対して。
それくらい。
ある、ものすごいオーラが。
凪には。