「凪は全く悪くないよ。
 凪はAくんのことを助けた。
 それは、なかなかできることではないよ。
 悪いのは、
 Aくんのことをいじめていた児童たち」


 凪の話を聞き終わり。

 出た、すぐに。
 その言葉が。


 悪いわけがない。
 人を助けた凪が。
 そう思うから。


「ありがとう、楚良(そら)
 楚良にそう言ってもらえると
 少しは救われる」


 凪の表情は。
 戻った、少し。
 穏やかな感じに。