「玲央、どうか、、、」

「五月蝿い。黙れ、今更母親ヅラするな」どうかしたの?という言葉を遮って、悲しそうな目をするババァに冷たい視線を向ける。本当なら話したくないし、同じ空間にいることにも虫酸(むしず)が走る。

 真央のことを放っておいたくせに、真央のことを罵ったくせに、真央を否定したくせに、、、オレには普通に接するのかよ。

『兄さま、、、』

 ババァの作った朝食を食べずに学校へ向かう。腹が減ればコンビニか何処かで買えば良い。

『兄さま、、、謝ろうよ?』

「謝らない」

『お母さん、、、悲しんでいたよ』

「お前を苦しめた奴に謝罪なんか死んでも御免だ」

『兄さま!』

「お前は何も気にしなくて良い」

『でも、、、』

「オレがずっと、守ってやる」

 オレの生まれた時からの役目は妹を守ること、自分にそう誓った。

「真央、愛してる」

『、、、兄さま、、、』

オレの気持ちを知らない真央は、、、とても無邪気だと思う。

愛してると何度言っても、大好きだと何度言っても、気が付かない。気付いてほしいと思う反面、気付かないでほしいと矛盾した願いもある。

(さて、、、あの祓い屋を調べないとな)

男子数名の輪の中に入って楽しそうに会話している祓い屋の少年を凝視する。