紘一へ
これを見たってことは、暗号解けたんだね。
暗号、どうだった?
簡単だったでしょ?
ごめん、もうちょっと捻りが欲しいって言うかもしれないけれどそれしか分からなかった。
私は、聴力障害になってから予知夢をみるようになりました。
なので、私は自分がどうやって死ぬのかも全て知っていました。
だから、自分を責めないで。
ねぇ、紘一。今から少し懐かしいお話をします。良い?
あれは、紘一と付き合って間もない頃のこと。
私が「紘一って、才能に満ち溢れているよね。羨ましい」
そう私が言うときみは謙遜していました。また、こんなことも言っていました。
「自分は、瑠璃が思っているみたいに才能になんか満ち溢れていない。僕は、自分で才能が無いと思っている。そういうことを思っていたら、親にあなたは、努力する才能があるのよって。でも、僕は努力も大事だと思っている。でも、最初から生まれ持っていたものが欲しかった。絶対音感とか、なんか」
それを聞いた私は、少しばかり何でそんなことを思ったのだろう、きみは気が付いていないだけで素晴らしい才能があるのに、とも。
でも、少しずつきみは変わっていきました。それが誇らしかったです。
さて、話は変わります。
私が君に伝えたいこと1番のこと。
それは、生きて。ということ。生きてさえいれば幸せだって見つかるかもしれない。4年と5ヶ月が経つと私は生まれ変わって20年後、きみに逢いに来ます。それまで、待っててね
                          瑠璃より