「瑠璃ちゃんと、逢えたのね」
まるで、知っていたかのように話す母に頷くと一昨日のようにまた泣きだした。
「瑠璃は、耳が不自由になっていたんだ」
「そう、だったのね。それでも、あなたは瑠璃ちゃんに寄り添う?」
「うん、瑠璃には辛い思いをさせた分、楽しい思いをさせたいんだ。だから、僕は瑠璃と母さんに誓う。この手で、瑠璃を幸せにすることを」
「頑張ってね、叡くん。いや、紘一」
そう言い合い、僕は瑠璃の家へと帰っていった。