今度は、瑠璃が好きだった映画館に足を運んだ。
瑠璃が好きそうな映画「きみとまた出逢える日に」のチケットを買った。                                     
「きみとまた出逢える日に」は、恋人たちをテーマとした恋愛映画だ。原作者は、紘海(ひろみ)という名前。確か、聴力障害ながらも18歳でデビューし、一昨年出版したこの作品がベストセラーとなり映画化されたとか。
ストーリーは、こう。
彼氏がいて、順風満帆な生活を送っていた瑠夏。ただ一つを除いて。ある日、デート中彼氏くん、紘太が事故で亡くなってしまう。生まれ変わった紘太が瑠夏に逢いに行く、みたいな感じらしい。こういうのが好きな瑠璃に逢えることを願おう。
上映開始5分前、隣に30代くらいの女性が座った。耳に補聴器をつけていたから耳が不自由なんだなと分かった。
僕は、何故か知らない人に心を奪われた。
なぜだかわからないが、親近感を抱いてしまった。
映画では、時々その人をチラチラ気にしてしまった。
ストーリーは、頭で認識し目は女の人に向いていた。
映画が終わると、僕は彼女を尾行してしまった。
でも、途中でまかれてしまい、諦めることしかすべはなかった。