「っ.......!澪さんっ」
「ずっと、彩葉さまが虐げられているのを見て、私はなんで見て見ぬふりをしてるんだって苦しくなって。誰から見ても、あれは彩葉さまが悪いわけではないのに。私もなにか言ったらいじめられるんじゃないか。そう思ったら、なにも言えなくて、ご主人様たちに従うしかありませんでした」
泣きそうな表情でいう澪は本当に後悔しているようで、彩葉も心が痛む。
彩葉が虐げられている裏でこんなことを思ってくれていたんだと思うと、嬉しくて、彩葉まで泣きそうだった。
「彩葉さま、許してもらえないと思いますが、本当に申し訳ありませんでした......!」
「っ、ありがとうございます、澪さん。話してくださって」
「彩葉さまがお礼を言うことはありませんっ!罵ってくださっていいのに.......」
澪の顔が悲痛に歪められる。責めてください、と何回も繰り返して、澪はその場にしゃがみこむ。
彩葉も新しい着物が汚れるのも気にせずにしゃがむと、澪と同じ目線になる。
「......いいんですよ。私は味方がいるとわかっただけでいいんです。本当に嬉しかったです」
ぽろぽろと涙を流し始めた澪の手をとる。少しでも、彼女の罪悪感がなくなるように。
「___本当に、ありがとうございますっ、彩葉さま!」