私達の学校は進学校だ。


もうみんな、進路について考えている。はや〜い。



でも、私は余命1年何だし。


気が乗らないなぁ。


はぁ。


その後、なんやかんやあって昼休みを迎えた。


軽い足取りで、屋上へと向かう。私は、屋上で食べるご飯が好きだった。


「暑っ」

はぁ、嫌になるなぁ。直射日光、日焼けしちゃうじゃん。


「愛」


え、何?

疑問に思って後ろを振り向くと“空翔”がいた。


「空翔?」


「はぁ?それ以外何に視えるんだよ。馬鹿か」


あいっからわず嫌味なやつだ。


「ねぇ、空翔」

「何だよ」

「サッカーしない?放課後」


「はぁ?何で?てかお前サッカーして大丈夫なのかよ」


性格がひん曲がっている空翔でも心配は、してくれたらしい。


もしかして、空翔って優しいの?


ま、後々分かることだろう。


「何でって感情を蘇らせるため、だけど?嫌なら嫌でいい。あと、サッカーは頭を使うこと以外ならできるし」


「ふぅん。まぁ、いいぜ。付き合う。てか、サッカーお前できるの?」


「No」


「英語かよ。まぁ、いい。元サッカー部主将の俺が直々に教えてやる。感謝しろ」

え、マジで?サッカー部主将?

「え、えええええっ!」

私は、新事実に驚きを隠そうとしても隠せなかった。


「何だよ」


「だって、元サッカー部主将だなんて。初めて知った」


「あっそ。で、いつなんだよ」

「今日の放課後、図書室集合」


「分かった。つかさ、こんなことよりもお前聞きたいことあるんじゃねぇの?」


気づ、かれてたんだ。その通りだった。私は、噂が事実なのかを知りたかった。


「それは、そう、だけどさ。でも、さ。ね?」


「何だよ。言いたいことあんならさっさと言えよ」


むぅ。言う勇気が無い。でも、言わなきゃ。

「あの、さ。空翔、あの“噂”は本当なの?」


「噂って?」


どうやら、自分の噂について知らないようだ。


「あの、なんというのだろうか。空翔が大切な人を失って、そのせいで感情を失ったって噂。あれ、ホントなの?」