ある日の昼下がり。


夏休みに入ったからと毎日来てくれた。でも、私はもう1人で死んだほうが空翔は悲しまない。そう思い、私は言った。


「空翔。もう、お見舞い来ないで」


「な、何で?」


明らかに動揺していた。


「私ね、もう空翔に悲しんでほしくないんだ」


「でも!」


「やめておいた方がいいよ」


空翔が言う前に言ったら空翔は、悲しい顔を浮かべてしぶしぶというように頷いて、帰っていった。


誰もいない病室で一息ついた。


これで、良い。


なのに、なんでこんなにも胸がギリギリと痛むのだろうか。ひょっとして、私は本当は、空翔と一緒にいたいとか?


ありえない。自分から別れを告げたのに。でも、涙がとめどめなく落ちてくる。


まるで、映画に感動してボロボロ泣いているみたい。


「っ、」


本当は、もっと長生きしてたくさん笑いあいたかったんだ。でも、もう遅い。空翔に合わせる顔が、ない。


どうしよう。


このまま、空翔に気づかれぬまま死ぬのだろうか。


こんな私の疑問を壊したのは、他でもない空翔だった。