「ただいま〜」


「あら、おかえりなさい。ご飯よ、準備手伝って」


そうか、もうご飯の時間か。

グーギュルルルル

お腹がなる音が響いた。その音に、お母さんとお父さんは大笑い。


はずい。


「もう、はやく食べようよ」

そう言ってやっとお母さん達は食卓についた。


今日の夕飯は、ハンバーグ。


「そう言えば、ハンバーグで愛小さいころね、ソースを削ぎ落として食べていたのよ」

「え、そうなの!?」

「あぁ」とお父さんも言った。


ソースを削ぎ落とすって何も味しないじゃん。自分のことなのに、訳分からない。


お母さん達は、私が余命宣告を受けてから秘話をよく教えてくれた。


「あ、ねぇ愛」

「なぁに?」

「好きな子、出来たんじゃないの?」


「そうなのか!?」

2人の言葉にいたたまれなくなった。

「あ、うん、多分…」


「「おめでとう」」と2人は言ってくれた。


「麻優(まゆう)にも報告したら?吉報じゃないの」

麻優、お姉ちゃん。


お姉ちゃんは、私が13歳の夏、小さい子を庇って事故に遭い死んだ。享年、16歳。ちなみに、姉がかばった子も死んでしまったらしい。


そこで、あることに気が付いた。


空翔の妹さん、空さんとおんなじ時だ。


ガタッー、と席を立った。


急いで、スマホであることを検索する。

「愛?どうしたの?」

お母さんの声が遠くに聞こえる。


2021年7月5日 超丘市 車のひき逃げ事故 詳細

そう、調べた。

検索すると、当時の記事がたくさんでできた。

その中の1つを開いた。