ついに!ついに!この日が来た!
「うぅ〜ん?お母さん、どれが良いと思う?」
「どれも、可愛いわよ」
「え〜。ホント?」
「ええ」
洋服選びにあーだこーだしていたら気がつくと待ち合わせの10分前に迫っていた。
もうこれ!
そう言って決めたのは、動きやすいカジュアルコーデ!


待ち合わせの駅に急いで行った。
駅には、もう維斗がいた。
「お待たせ!」
「お、おぉ」
「じゃあ、行くか」
「うん!」

ドンドドン!
カラオケに来た。まず、周りの室内から聞こえてくる音に驚きだった。
「こ、こんなに大きいんだ」
「あぁ、最初はみんなびっくりすると思うぜ。久し振りに来てもびっくりするけど」
「そ、そうなんだ~」
「天舞音。飲み物貰いに行こ?」
「え、飲み物飲めるの!?」
「そうだよ。お金を払えば、の話だけど」
「初めて知った!じゃあ、行こうよ!」
うん、と維斗は頷いてくれた。

「うーんどうしよう?」
沢山ある飲み物で目移りしてしまった。
「天舞音。何回でも飲めるから、どれでも好きなの選べば?」
え?何回も、飲めるの?すごくない?じゃあ、決まり!
「メロンソーダにする!」
「うん。美味しいよ」
コップを持ってジュース入れの機械に来たものの、やり方が分からない。周りの人たちは、慣れた手つきでやっていた。
「維斗。やり方、教えて?」
「あぁ、そっか。分かった」
そう言ってやり方を、教えてくれた。

ピトリ
手が重なり合った。2人で、顔を赤面し笑いあった。

「きみの〜、中に〜、繋がりたいものが〜、あぁ〜たった〜」
う、うまい。維斗、歌上手。
「はい、天舞音。うたってどうぞ?」
そういって、マイクを差し出された。
「ありがとう」
「きみの〜、思いと〜
私のおも〜いが
繋がっていた〜
君が教えてくれ〜た〜、あのこと〜ば〜

ありがとう〜
君にそう、伝えたかった〜」
この曲は、今の私にぴったりだ。維斗、いつもありがとう。そう君に、伝えたい。