驚いて目を丸くする千世。

紫雨は唇を離すと、千世の頭をそっとなでた。


「そうはさせない。前にも言っただろう?必ず、麗姫は俺が倒すと」

「紫雨様…」

「だから安心しろ。千世はしわくちゃのばあさんになっても、俺のそばで笑っていることだろう」


紫雨の言葉に、千世は笑みをこぼしながらゆっくりとうなずいた。


「はい。わたしはずっとずっと、紫雨様のおそばにいます」



ここから、愛しい妻である千世の命を取り戻すため、麗姫を倒す物語が始まるのだった。





『離縁から始まる永遠の契り』【完】