「だが、俺のそばにいなければ、そもそもお前は二十歳で命を奪われる。少しでも延命を続け、呪いを祓う手立てを見つけるんだ」

「手立てといっても、そんなことっ…」

「方法なら…、1つだけある」


麗姫の呪いを解く唯一の方法――。


それは、麗姫を倒すこと。

呪いの術者である麗姫が消滅すれば、麗姫によってかけられていたすべての呪いも消える。


千世が助かる方法はそれしかなかった。


紫雨はすべての妖術をもってして、なんとしてでも麗姫を倒そうと考えていた。


「必ず麗姫を見つけ出して、俺がこの手で倒す。俺のかわいい花嫁をそうやすやすと死なせてたまるものか」


そう言って、紫雨は後ろから千世の体を抱きしめる。


「ちっ…近いです、紫雨様…!」

「夫婦なんだ。いいだろう」

「夫婦といってもこの前初めてお会いしたばかりで、わたしにお気持ちなどないはずです…!それなのに、突然態度が変わられて――」