形は違えど、偶然こうして紫雨と出会わなければ、千世はあと1年ほどで呪いで命を奪われていたことだろう。


初めて聞かされた麗姫の呪いと、残りの寿命。

そして、紫雨との婚姻のわけ。


到底すぐには信じられない話だが、千世は両親からの直筆の文を読んで、すべてを受け入れることができた。

それと同時に、自分がどれほど辰之助と秀美から愛されていたかということも知った。


「だから、こうして麗姫の呪いによって侵されたお前の血を毎日吸うことで、少しでも呪いの効果を薄めているんだ」


紫雨は、本能として生き血を吸っていただけではない。

そこには、ちゃんとした理由があった。


「…そうだったのですね。そうとも知らず、申し訳ございませんでした…」

「いや…、むしろ謝るのは俺のほうだ」

「え…?」