その名は有名で、人間であっても知らぬ者はいないというほど。


姿は人間の女で、その美貌は鬼だけでなく人間の男をも魅了する。


麗姫は、自らの美貌に絶対の自信がある。


しかし、人々の視線が他へ向くことを許さない底知れぬ嫉妬心の持ち主で、且つ残虐。

自分の虜にならぬというのなら、小虫を潰すように人間でさえも簡単に殺してしまう。


また、自分より美しいものがこの世に存在することもひどく嫌った。

そのため、美しい人間の女を標的に呪いをかけるのだ。


その呪いとは、二十歳(はたち)なれば死ぬというもの。


麗姫は、すぐには殺さない。

死が近づく恐怖に、その美しい顔が恐怖に歪むさまを見届けることに快感を覚えるからだ。


かといって、麗姫より美貌のある人間などそう簡単に生まれるものではない。