「…えっ!子どもが…!?それは本当かい!?」

「はい!正彦さんとわたくしの赤ちゃんです!」


その言葉に、千世は頭の中が真っ白になった。


…えっ……。

正彦さんの…赤ちゃん……?


「どうやら、それで最近体調も優れなかったようで…。ご心配をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした」

「なにを言ってるんだ。謝ることじゃないよ。とにかく、なにかの病気じゃなくてよかった」

「ありがとうございます。もう…びっくりで、どうしてもすぐに正彦さんにお伝えしたくて、あとを追いかけてしまいました」


春子はまぶしいくらいの笑顔を見せる。

その表情からは、幸せがにじみ出ている。


「春子様〜!どちらへ〜!?」


屋敷からは春子を探す使用人の声が聞こえる。


「お医者様の話なら、僕もいっしょに聞こう」