「冗談でしょ!?婚姻解消なんてっ…!」


そんな女たちの悲鳴に近い嘆き声を背中に受けながらも、紫雨は表情ひとつ変えることなく千世のもとへと歩み寄る。


「…な、なんですか」


突然の展開に、千世は後ずさりをする。


「…わたしは離縁状をいただきました。ですので、すぐにでもここから――」

「返してやるものか。お前は、俺が待ち望んでいた花嫁だ」


そう語りかけた紫雨は、小さな千世の体をそっと抱きしめたのだった。