よく晴れた休日の朝。
天音は巫神社の掃除をしていた。
神社の掃除は、巫山家と巫川家が交互に行っている。
普段は鈴子と義興が掃除をしているが、部活がない休日は天音と邪馬斗の担当だ。
部活のある日が多いため、天音と邪馬斗は月に三回ほどしか掃除をすることが出来ない。
天音は本堂の掃除をするため、扉を開けた。
中に入ると、神鏡を奉納している台がある。
神鏡の破片が半分以上戻ってきていることに、天音は気がついた。
「結構集まってきたねー。でも元通りになるまで、まだかかりそう……」
天音は不完全な神鏡を眺めながら言った。
神鏡の破片は大きいものもあれば小さいものもある。
破片の大きさが不揃いであるため、あと幾つの破片を集めれば良いのか定かではない。
「もう一踏ん張り。破片が全部集まるまで、精一杯頑張ろう!」
天音はささっと本堂の掃除を済ませ、巫神社を後にした。
「おかえり、天音。神社の掃除お疲れ様。帰って来て早々に申し訳ないけど、お母さんが作っておいてくれたカレー、巫川家に持って行ってちょうだい」
「あー、そうだった。分かった」
天音は台所に行って、カレーを小鍋に分ける。
このカレーは天音の母が作ったものだ。
天音の両親は大手企業の社員で出張が多いため、家にいることが少ない。
そのため、母は家に帰ってくると大量の料理を作って天音と鈴子が困らないように作り置きをしていく。
量が多いため、いつも邪馬斗の家におすそ分けしているのだ。
「じゃー、邪馬斗の家に行ってくるねー」
「お願いねー。巫川さんの爺さんにもよろしくね」
「はーい」
天音はカレーが入った小鍋を持って玄関を出る。
邪馬斗の家に着くと、天音はインターホンを押した。
「ピンポーン……」
まもなくすると、ジャージ姿の邪馬斗が出てきた。
「なんだ、天音か」
「なんだって何よー! ごめんね私で! はいこれ、お母さんが作ってくれたカレー。おすそ分け」
「お、いつも悪いな。ありがとう。おばさん帰ってきてたんだ」
「うん。お父さんも一緒に帰ってきてたんだけど、お仕事忙しいみたいで一晩泊まってまた仕事に行っちゃった」
「そうだったんだ。実はうちでも親父とお袋が帰ってきてたんだけど、今朝早くまたアメリカに戻っていたんだよなー」
「おじさんとおばさんも帰ってきてたんだー。邪馬斗の両親も忙しそうで大変だね」
「まぁ、いつものことだし。お前んちも変わんねーだろ。あ、そうだ。親達から預かっていたのあったわ。ちょっと待ってて」
邪馬斗はそう言って、天音から受け取った小鍋を手にしながら、家の奥へ小走りで戻った。
まもなくすると、大きな紙袋を持って戻ってきた。
「はい、これ。アメリカからのお土産だってさ。いつもご飯もらってて申し訳ないって言ってた」
「そんなことないよ。お母さん、食べきれないくらい作っていくから、大変なんだよねー。お互い様だよ。こちらこそいつもお土産もらってごめんね」
邪馬斗の両親は海外で仕事をしている。
月に二、三日しか家に帰ってこない。
いつも巫山家からご飯のおすそ分けをもらっているので、邪馬斗の両親は家に帰ってくる時、巫山家に海外のお土産を大量に買ってくるのだ。
お土産はお菓子系が多く、甘いもの好きの天音はいつも美味しく食べている。
「そういや、天音はおばあちゃんに、あのこと話したのか?」
「あのこと?」
天音は首を傾げて言った。
「マラソン大会で魂送りした霊から言われたことだよ!」
「あー、学校に霊が見える先生がいるかも知れないってこと?」
「それもだし、その先生に羽織を着た女性の霊が憑いていることもだよ」
「あー! そうだった! まだ言ってない!」
「俺もまだじいちゃんに言ってないんだ。ちょうどじいちゃん家にいるし、巫山のばあちゃんも含めて四人で話さないか?」
「そうだね。ちょっとおばあちゃんのこと呼んでくる!」
天音は一度家に帰り、鈴子を巫川家に呼びに行った。
そして、邪馬斗の家の居間で四人が集まったところで、翔からの情報を報告した。
「……てな感じで、学校に気配も消せるような、強い霊気を持った人間と霊が居るみたいなんだけど……。何か知ってることない?」
天音は鈴子と義興に伝えるも首を傾げる。
「ワシは聞いたことないな~」
「私も無いですね」
「そっかー」
邪馬斗は残念そうに言った。
「今はその件については何もわからないが、取り敢えずお前らは今まで通り、人気のいない場所を狙って、気をつけて魂送りをするように」
義興がキリッとした表情で天音と邪馬斗に言った。
「はい」
天音と邪馬斗は、姿勢をピシッと整えて返事をした。
「私達はあなた達に継承した事によって、後継者の力も失くなってしまって何もしてあげることも出来ないしこれ以上の知識も分からないので教えることが出来ないの。ごめんね」
鈴子が寂しそうな顔で言った。
鈴子の言葉を聞いた義興がハッとした表情になり、なにか思いついたように口を開く。
「そう言えば、邪馬斗。お前、さっきまで蔵の片付けをしておったな」
「あぁ。埃がすごくて大変だよ。完全に片付けが終わるまで時間かかるけどな」
「確かあの蔵に巫神社と巫神楽に関連する書物があったな……。もしかしたら何か分かるかもしれん」
義興が考えながら言った。
「そんなのあったっけか? あったとしたらもっと奥の方に置いてあるかもな」
「だったら、私も手伝うよ!」
「じゃー、早速探してみるか」
天音と邪馬斗は居間を出て、庭にある蔵に向かった。
「改めて見ると、やっぱりこの蔵大きいよね~」
天音は蔵を眺めながら言った。
「散らかってるから、足元気をつけろよ」
「はいは~い……イテッ!」
邪馬斗に忠告もむなしく、天音は床に散らかっていた箱につまずいて転んでしまう。
「お前な~……」
床に倒れる天音を見て、邪馬斗は呆れながら言った。
「あーもー最悪! 埃、服についちゃったじゃない!」
「お前、ジャージだから少し汚れても支障ないだろ」
「てかあんた、レディーに対して大丈夫かくらい声かけてくれたって良いでしょ!?」
「何がレディーだよ……。冗談言ってないで書物探せよ」
「もう……いっつもそんな態度。たまには労ってよね」
天音は頬を膨らませ、邪馬斗に文句を言いながら書物を探した。
「ん~と……。物が多すぎてどこに何があるのかさっぱり分からん」
邪馬斗は、箱をを一つ一つ確認しながら探した。
「それにしても、埃ヤバ過ぎる! ……ん?」
埃を払いながら探していると、天音は棚の上に古い箱があるのを見つけた。
その箱は、更に紐でグルグルと頑丈に縛られていた。
「邪馬斗隊長! この箱、誠に怪しいであります!」
「なんの探検ごっこだよ……。持ってこいよ」
「あまりにも怪しすぎて触りたくないのであります! ここは隊長にお任せするのであります!」
「埃が凄すぎて、触りたくないだけだろ」
「違うって! 重そうだし、それに高い所にあって届かないだけだってば!」
天音は地団駄を踏みながら言った。
「蔵壊れるから地団駄踏むの止めてくれます? 怪獣」
「いいから、早くその箱取ってよ!」
「はいはい」
邪馬斗は棚から古い箱を取り、床に置いて埃を払った。
蓋には、古びた御札が貼ってある。
「この御札、巫神社の御札じゃない?」
御札を見るやいなや、天音がハッとした顔で言った。
「もしかして、神社に関係した物が入ってるかもな。結構重かったし」
「開けてみよーよ!」
天音ははしゃぎながら言う。
「そう焦らせるなよ」
邪馬斗はそう言って、紐をハサミで切って箱の蓋を開けた。
蓋を開けると、巻物が一つ入っている。
「……え? これだけ?」
目を点にして、天音は気が抜けたような声を出す。
「重さの割にはこれだけだったのか」
邪馬斗もあまりの期待外れに呆然とした。
「取り敢えず、読んでみようよ」
天音はそう言って、巻物の紐と解いた。
「えーっと……。なんて書いてんの?」
「ほんと、お前頭悪いな」
「いやいや、こんな汚い字読めるわけないじゃん!」
「んーと、巫神楽の歴史……?」
「読めるんかいっ!?」
邪馬斗は解読しながら、巻物に書いてある字を読み始めた。
思わず、天音はツッコんでしまう。
邪馬斗は成績優秀な文系でもあるため、巻物に書いてある昔の字でもなんとなく読めるのだ。
「これかも……じいちゃんが言ってた書物って……」
邪馬斗が、巻物を床に広げて読み始めたその時。
「この時代の者でも、この巻物を読める者がいるとは……」
「誰ッ!?」
その声に天音と邪馬斗は、驚いて身を起こした。
二人は辺りを見渡した。
すると、前方に巫女姿の女性が立っていた。
「あなたは……」
邪馬斗がそう言うと、天音が、
「邪馬斗! この人の服……。私が例祭の時に着ている神楽の衣装と全く一緒だ!」
「なんだって!?」
びっくりしている天音と邪馬斗に、その女性は微笑みながら、ゆっくりと話し始めた。
「流石は巫神楽を継ぐ者……。我が名は巫山みよ」
「……巫山?」
突然現れた巫山家の名を名乗る女性に、ただただ呆然と驚いている天音と邪馬斗であった。
天音は巫神社の掃除をしていた。
神社の掃除は、巫山家と巫川家が交互に行っている。
普段は鈴子と義興が掃除をしているが、部活がない休日は天音と邪馬斗の担当だ。
部活のある日が多いため、天音と邪馬斗は月に三回ほどしか掃除をすることが出来ない。
天音は本堂の掃除をするため、扉を開けた。
中に入ると、神鏡を奉納している台がある。
神鏡の破片が半分以上戻ってきていることに、天音は気がついた。
「結構集まってきたねー。でも元通りになるまで、まだかかりそう……」
天音は不完全な神鏡を眺めながら言った。
神鏡の破片は大きいものもあれば小さいものもある。
破片の大きさが不揃いであるため、あと幾つの破片を集めれば良いのか定かではない。
「もう一踏ん張り。破片が全部集まるまで、精一杯頑張ろう!」
天音はささっと本堂の掃除を済ませ、巫神社を後にした。
「おかえり、天音。神社の掃除お疲れ様。帰って来て早々に申し訳ないけど、お母さんが作っておいてくれたカレー、巫川家に持って行ってちょうだい」
「あー、そうだった。分かった」
天音は台所に行って、カレーを小鍋に分ける。
このカレーは天音の母が作ったものだ。
天音の両親は大手企業の社員で出張が多いため、家にいることが少ない。
そのため、母は家に帰ってくると大量の料理を作って天音と鈴子が困らないように作り置きをしていく。
量が多いため、いつも邪馬斗の家におすそ分けしているのだ。
「じゃー、邪馬斗の家に行ってくるねー」
「お願いねー。巫川さんの爺さんにもよろしくね」
「はーい」
天音はカレーが入った小鍋を持って玄関を出る。
邪馬斗の家に着くと、天音はインターホンを押した。
「ピンポーン……」
まもなくすると、ジャージ姿の邪馬斗が出てきた。
「なんだ、天音か」
「なんだって何よー! ごめんね私で! はいこれ、お母さんが作ってくれたカレー。おすそ分け」
「お、いつも悪いな。ありがとう。おばさん帰ってきてたんだ」
「うん。お父さんも一緒に帰ってきてたんだけど、お仕事忙しいみたいで一晩泊まってまた仕事に行っちゃった」
「そうだったんだ。実はうちでも親父とお袋が帰ってきてたんだけど、今朝早くまたアメリカに戻っていたんだよなー」
「おじさんとおばさんも帰ってきてたんだー。邪馬斗の両親も忙しそうで大変だね」
「まぁ、いつものことだし。お前んちも変わんねーだろ。あ、そうだ。親達から預かっていたのあったわ。ちょっと待ってて」
邪馬斗はそう言って、天音から受け取った小鍋を手にしながら、家の奥へ小走りで戻った。
まもなくすると、大きな紙袋を持って戻ってきた。
「はい、これ。アメリカからのお土産だってさ。いつもご飯もらってて申し訳ないって言ってた」
「そんなことないよ。お母さん、食べきれないくらい作っていくから、大変なんだよねー。お互い様だよ。こちらこそいつもお土産もらってごめんね」
邪馬斗の両親は海外で仕事をしている。
月に二、三日しか家に帰ってこない。
いつも巫山家からご飯のおすそ分けをもらっているので、邪馬斗の両親は家に帰ってくる時、巫山家に海外のお土産を大量に買ってくるのだ。
お土産はお菓子系が多く、甘いもの好きの天音はいつも美味しく食べている。
「そういや、天音はおばあちゃんに、あのこと話したのか?」
「あのこと?」
天音は首を傾げて言った。
「マラソン大会で魂送りした霊から言われたことだよ!」
「あー、学校に霊が見える先生がいるかも知れないってこと?」
「それもだし、その先生に羽織を着た女性の霊が憑いていることもだよ」
「あー! そうだった! まだ言ってない!」
「俺もまだじいちゃんに言ってないんだ。ちょうどじいちゃん家にいるし、巫山のばあちゃんも含めて四人で話さないか?」
「そうだね。ちょっとおばあちゃんのこと呼んでくる!」
天音は一度家に帰り、鈴子を巫川家に呼びに行った。
そして、邪馬斗の家の居間で四人が集まったところで、翔からの情報を報告した。
「……てな感じで、学校に気配も消せるような、強い霊気を持った人間と霊が居るみたいなんだけど……。何か知ってることない?」
天音は鈴子と義興に伝えるも首を傾げる。
「ワシは聞いたことないな~」
「私も無いですね」
「そっかー」
邪馬斗は残念そうに言った。
「今はその件については何もわからないが、取り敢えずお前らは今まで通り、人気のいない場所を狙って、気をつけて魂送りをするように」
義興がキリッとした表情で天音と邪馬斗に言った。
「はい」
天音と邪馬斗は、姿勢をピシッと整えて返事をした。
「私達はあなた達に継承した事によって、後継者の力も失くなってしまって何もしてあげることも出来ないしこれ以上の知識も分からないので教えることが出来ないの。ごめんね」
鈴子が寂しそうな顔で言った。
鈴子の言葉を聞いた義興がハッとした表情になり、なにか思いついたように口を開く。
「そう言えば、邪馬斗。お前、さっきまで蔵の片付けをしておったな」
「あぁ。埃がすごくて大変だよ。完全に片付けが終わるまで時間かかるけどな」
「確かあの蔵に巫神社と巫神楽に関連する書物があったな……。もしかしたら何か分かるかもしれん」
義興が考えながら言った。
「そんなのあったっけか? あったとしたらもっと奥の方に置いてあるかもな」
「だったら、私も手伝うよ!」
「じゃー、早速探してみるか」
天音と邪馬斗は居間を出て、庭にある蔵に向かった。
「改めて見ると、やっぱりこの蔵大きいよね~」
天音は蔵を眺めながら言った。
「散らかってるから、足元気をつけろよ」
「はいは~い……イテッ!」
邪馬斗に忠告もむなしく、天音は床に散らかっていた箱につまずいて転んでしまう。
「お前な~……」
床に倒れる天音を見て、邪馬斗は呆れながら言った。
「あーもー最悪! 埃、服についちゃったじゃない!」
「お前、ジャージだから少し汚れても支障ないだろ」
「てかあんた、レディーに対して大丈夫かくらい声かけてくれたって良いでしょ!?」
「何がレディーだよ……。冗談言ってないで書物探せよ」
「もう……いっつもそんな態度。たまには労ってよね」
天音は頬を膨らませ、邪馬斗に文句を言いながら書物を探した。
「ん~と……。物が多すぎてどこに何があるのかさっぱり分からん」
邪馬斗は、箱をを一つ一つ確認しながら探した。
「それにしても、埃ヤバ過ぎる! ……ん?」
埃を払いながら探していると、天音は棚の上に古い箱があるのを見つけた。
その箱は、更に紐でグルグルと頑丈に縛られていた。
「邪馬斗隊長! この箱、誠に怪しいであります!」
「なんの探検ごっこだよ……。持ってこいよ」
「あまりにも怪しすぎて触りたくないのであります! ここは隊長にお任せするのであります!」
「埃が凄すぎて、触りたくないだけだろ」
「違うって! 重そうだし、それに高い所にあって届かないだけだってば!」
天音は地団駄を踏みながら言った。
「蔵壊れるから地団駄踏むの止めてくれます? 怪獣」
「いいから、早くその箱取ってよ!」
「はいはい」
邪馬斗は棚から古い箱を取り、床に置いて埃を払った。
蓋には、古びた御札が貼ってある。
「この御札、巫神社の御札じゃない?」
御札を見るやいなや、天音がハッとした顔で言った。
「もしかして、神社に関係した物が入ってるかもな。結構重かったし」
「開けてみよーよ!」
天音ははしゃぎながら言う。
「そう焦らせるなよ」
邪馬斗はそう言って、紐をハサミで切って箱の蓋を開けた。
蓋を開けると、巻物が一つ入っている。
「……え? これだけ?」
目を点にして、天音は気が抜けたような声を出す。
「重さの割にはこれだけだったのか」
邪馬斗もあまりの期待外れに呆然とした。
「取り敢えず、読んでみようよ」
天音はそう言って、巻物の紐と解いた。
「えーっと……。なんて書いてんの?」
「ほんと、お前頭悪いな」
「いやいや、こんな汚い字読めるわけないじゃん!」
「んーと、巫神楽の歴史……?」
「読めるんかいっ!?」
邪馬斗は解読しながら、巻物に書いてある字を読み始めた。
思わず、天音はツッコんでしまう。
邪馬斗は成績優秀な文系でもあるため、巻物に書いてある昔の字でもなんとなく読めるのだ。
「これかも……じいちゃんが言ってた書物って……」
邪馬斗が、巻物を床に広げて読み始めたその時。
「この時代の者でも、この巻物を読める者がいるとは……」
「誰ッ!?」
その声に天音と邪馬斗は、驚いて身を起こした。
二人は辺りを見渡した。
すると、前方に巫女姿の女性が立っていた。
「あなたは……」
邪馬斗がそう言うと、天音が、
「邪馬斗! この人の服……。私が例祭の時に着ている神楽の衣装と全く一緒だ!」
「なんだって!?」
びっくりしている天音と邪馬斗に、その女性は微笑みながら、ゆっくりと話し始めた。
「流石は巫神楽を継ぐ者……。我が名は巫山みよ」
「……巫山?」
突然現れた巫山家の名を名乗る女性に、ただただ呆然と驚いている天音と邪馬斗であった。