「伶龍!」

「おうっ!」

私が声をかけると同時に伶龍が駆け出す。
それを視界に収め、御符を刺した矢をつがえて弓をかまえる。

「こ……れ……で……っ!」

弓から離れた矢は、空気を引き裂きながら勢いよく穢れの核へと向かって飛んでいく。
命中したそれは、核に御符を貼り付けた。

「終わりだーっ!」

そのタイミングで穢れに辿り着いた伶龍が、核へ向かって刀を振り下ろす。
ピシリとヒビの入る音がし、そのまま核は崩壊した。
それとともに蠢いていた蟲たちも消えていく。

「今日も勝ったな!」

「やったね!」

伶龍と落ちあい、ハイタッチする。
このところの私たちはデビューしたての頃が嘘のように、連戦連勝だった。

「お疲れ様でございました」

「あっ、お疲れ様でーす」

仮設テントに戻ってきた私たちに柴倉さんが声をかけてくれる。

「今日も見事な戦いぶりでしたね」

「えっ、あっ、はははははーっ。
ありがとう、ございます」

あんなにお叱りを受けていたのに、褒められるとなんだかくすぐったくて居心地が悪い。

「最初からこうだとよかったんですけどね……」