「だいたいオメーは俺がアイツを倒すための補佐だろーがよ。
なら、俺が戦いやすいようにするのが役目じゃねぇのか、ああっ?」

腕を組んで仁王立ちの彼は尊大で、本当に偉そうだ。
その姿に私の忍耐がぶち切れた。

「あんたみたいな自分勝手な刀、補佐するこっちの身にもなってよね!
突っ込んでいくしか能がない、無能のくせに!」

「なんだと!」

胸もとの襟を掴み、伶龍が私を立たせる。
おかげで軽く、足が宙に浮いた。

「誰があれを倒してやってると……」

「いい加減にしてもらえないですかね」

私たちが言い争っているところへ、戻ってきていた柴倉さんが声をかけてきた。

「どっちが無能って、私にいわせればあなたたちふたりとも無能ですよ。
ここは忙しいんですから、さっさと着替えて始末書を書いてください」

「うっ」

柴倉さんが冷たく言い放つ。
それはもっともすぎて返す言葉がなく、その場をあとにした。

控えのブースでシャワーを浴びる。

「ううっ、冷た……」

浴びた液体は普通に洗っても落ちないので、浄水を浴びる。
ほぼ禊ぎなので水のままだ。
あの液体は触れると障りがある。