いや、祖母だって曾祖母ほどではないがいくつもの修羅場をくぐり抜けてきた猛者なのだ。

「やっと晩ごはん……」

ようやくまともに休めてほっと息をついたものの。

「食べたら精神集中の修練をやるからね。
さっさと食べな」

「……はい」

祖母の宣言に食欲はみるみる失せていった。



「穢れが、来るよ」

修行が始まって一週間ほど経った頃、朝のお勤めで宣託が下った。

「でも、伶龍が……」

伶龍の行方はいまだにわからない。
公安の手を尽くしても、だ。
どこでなにをやっているのか心配になる。
しかし、本当に暴力団などに……などというのはなぜか、心配していなかった。

「私と威宗で出る。
翠は控えてな」

「うん」

控えろもなにも、刀がいない私にはなにもできない。
伶龍の行方は知れないし次の刀を、などという話も出ていたが、番号札が割れていない=伶龍は折れていないので、できずにいた。
それにあんなに別の刀にチェンジしたいと思っていた私だが、今は伶龍以外の刀とペアを組む気はさらさらない。

「大丈夫だよ、きっと伶龍は戻ってくるって!」

「いたっ!」