しかし実際の被害の規模などを具体的にわかると、自分の責任の重さに震えた。
このあいだは祖母が祓ってくれたからよかったものの、もし私だけで他の巫女などいなかったら?
今頃、なにが起こっていたのだろう。
想像するだけで、怖い。

「翠様、お加減いかがですか?」

「春光!」

翌日は春光がお見舞いに来てくれた。

「これ。
翠様がお好きなケーキです」

「ありがとう!
嬉しいー」

春光が手にしていた箱を威宗に渡す。
威宗はすぐにお茶の準備を始めた。

「思ったよりもお元気そうでよかったです。
光子様も心配されていたんですよ」

威宗に勧められ、春光が近くの椅子に座る。

「ありがとう。
折れてる足と手以外は元気だよ。
大ばあちゃんにも心配はいらないって伝えておいて」

「わかりました」

春光が頷く。
可愛がっているひ孫が穢れ討伐に失敗して大怪我だなんて、曾祖母も心配しているだろう。

威宗がお茶を淹れてくれ、春光と一緒に差し入れてくれたケーキを食べる。

「伶龍はやはり、翠様のところにも姿を現してないんですね」

「……そう、だね」

つい、フォークを置いていた。