「我々は人間より丈夫ですからね。
ピンピンしていましたよ」

「そっかー」

だったらよかった。
でも、どこでなにをしているのかは心配だ。

することもないので、ぼーっと携帯でSNSのタイムラインを追う。

【女子大生巫女、穢れ討伐失敗ってマジか。
毎回あれで祓えもしないとか最悪じゃん】

【巫女、マジで勘弁してほしい。
職場のビルが倒壊して仕事がなくなったんだが。
穢れも祓えねーし、サイテー】

【もうあいついらなくない?
ばあちゃん巫女だけでよくない?
刀も生意気だしさ】

そこは私と伶龍に対する、非難と怨嗟でいっぱいだった。
穢れ出現で建物の損壊は珍しくない。
国から保証されるようになっている。
とはいえやはり、仕事がなくなったとか心が痛む。

「いらない、か……」

今までだってまともに穢れを祓えた試しはない。
しかも今回は失敗し、祖母に尻拭いをせる始末。
タイムラインを追いながら、どんどん追い詰められていく。
でも私は投稿を全部確認するのが自分の義務だと思い、ひたすら読み続けていた。

「あっ」

不意に、手の中から携帯が消える。
行方を追うと威宗に取り上げられていた。