刀が行方不明など、大問題だ。
それもだが、それだけ伶龍はまだ私の顔など見たくないのだと泣きたくなった。

「そうだ!
穢れ、穢れはどうなったの!?」

状況が把握でき、急に心配になってくる。
私たちはあれを祓い損なった。
なのにこんなにのんびりと病院で寝ていていいはずがない。
とはいえ、この状態ではなにもできないけれど。

「私と威宗で祓ったさ。
しばらくは私たちがやるから、あんたはさっさと怪我を治しな」

「……うん」

祖母が珍しく、柔らかく私に微笑みかける。
やはり祖母らしく、孫の怪我を心配してくれるのかと思ったものの。

「治ったら徹底的に鍛え直してやるからね」

「ひっ」

滅茶苦茶愉しそうに笑われ、短く悲鳴が漏れた。

足と腕は一緒に落下したビルの破片が当たって折れたのだろうという見立てだった。
他にガラスも降っていたので、細かい傷が多い。

「その。
伶龍は無事、なの?」

身の回りの世話は威宗がやってくれた。
本来なら伶龍がやるところだが、いないのだから仕方ない。
まあ、いたところであれなら、私の世話など面倒臭がってやらないだろうけれど。