袴の裾を翻し、弓を掴んで慌てて彼を追いかける。
いる場所はわかっている、穢れの本体があるところだ。
「いたー!」
足の集まる中心、要するに蜘蛛でいう胴体の部分が穢れの本体だ。
そこを目指して走れば、容易に彼は見つかった。
「この!
くそっ!」
伶龍はダンプカーサイズの穢れの本体に向かって刀を振るっているが、核を守るように蠢く多数の蟲は刀では切れないって説明しましたよね?
「どいて!」
矢をつがえ、穢れを狙う。
しかし私の声が聞こえないのか、伶龍は穢れから離れない。
「邪魔!」
狙いを定め矢を放とうとした瞬間、伶龍が目の前に出てくる。
核に御符を打ち込むまで彼の役目は援護だってあれほど言ったのに、やはり理解していなかった。
「ちょっ、れい、りょう……。
あっ!」
とうとう耐えかねて手が弦から離れた。
私の意志とは関係なく放たれた矢は、伶龍へと向かっていく。
「避けて!」
私の声と彼が刀で矢を叩き落としたのは同時だった。
「……あ?」
低い声で振り返った伶龍が私を凄む。
そのまま一気に私へと距離を詰めてきた。
「テメエ、俺を殺す気か?」
「ご、ごめん!」
いる場所はわかっている、穢れの本体があるところだ。
「いたー!」
足の集まる中心、要するに蜘蛛でいう胴体の部分が穢れの本体だ。
そこを目指して走れば、容易に彼は見つかった。
「この!
くそっ!」
伶龍はダンプカーサイズの穢れの本体に向かって刀を振るっているが、核を守るように蠢く多数の蟲は刀では切れないって説明しましたよね?
「どいて!」
矢をつがえ、穢れを狙う。
しかし私の声が聞こえないのか、伶龍は穢れから離れない。
「邪魔!」
狙いを定め矢を放とうとした瞬間、伶龍が目の前に出てくる。
核に御符を打ち込むまで彼の役目は援護だってあれほど言ったのに、やはり理解していなかった。
「ちょっ、れい、りょう……。
あっ!」
とうとう耐えかねて手が弦から離れた。
私の意志とは関係なく放たれた矢は、伶龍へと向かっていく。
「避けて!」
私の声と彼が刀で矢を叩き落としたのは同時だった。
「……あ?」
低い声で振り返った伶龍が私を凄む。
そのまま一気に私へと距離を詰めてきた。
「テメエ、俺を殺す気か?」
「ご、ごめん!」