それを見て、小さくため息をついた。
「とにかく。
私の指示に従ってよね。
わかっ……」
ドーン!と大きな音がするとともに地面が揺れ、身体が浮く。
「見えた」
男の言葉どおり、立ち並ぶ住宅のあいだから二つに折れた、黒い棒状のものが何本も見えた。
しかもそれは五階建てのマンションと同じくらいの高さがあり、不気味に蠢いている。
「参る」
低く呟いたかと思ったら、伶龍が一歩踏み出した。
後ろ足が地面を勢いよく蹴り、弾丸のごとく一直線に〝それ〟に向かっていく。
「ちょ、待って!」
傍らに置いてあった弓を掴み、慌ててそのあとを追う。
しかし彼の姿はすでに、豆粒のように小さくなっていた。
――うぉぉーん!
少しして先程よりも甲高い、雄叫びが上がる。
すでに伶龍が、交戦状態になっているようだ。
「だから待ってって言ったのに!」
最速で棒状のものが集まる中心へと向かう。
そこには建売住宅サイズの、黒い靄状のものがあった。
棒状のものは足のようなもので、これは大きな蜘蛛のような形をしている。
「おとなしくやられろっ!」
「とにかく。
私の指示に従ってよね。
わかっ……」
ドーン!と大きな音がするとともに地面が揺れ、身体が浮く。
「見えた」
男の言葉どおり、立ち並ぶ住宅のあいだから二つに折れた、黒い棒状のものが何本も見えた。
しかもそれは五階建てのマンションと同じくらいの高さがあり、不気味に蠢いている。
「参る」
低く呟いたかと思ったら、伶龍が一歩踏み出した。
後ろ足が地面を勢いよく蹴り、弾丸のごとく一直線に〝それ〟に向かっていく。
「ちょ、待って!」
傍らに置いてあった弓を掴み、慌ててそのあとを追う。
しかし彼の姿はすでに、豆粒のように小さくなっていた。
――うぉぉーん!
少しして先程よりも甲高い、雄叫びが上がる。
すでに伶龍が、交戦状態になっているようだ。
「だから待ってって言ったのに!」
最速で棒状のものが集まる中心へと向かう。
そこには建売住宅サイズの、黒い靄状のものがあった。
棒状のものは足のようなもので、これは大きな蜘蛛のような形をしている。
「おとなしくやられろっ!」