かっかっかっと豪快に笑い声を上げながら去っていく祖母を不満げに睨んで見送った。
申し訳なさそうに後ろの刀――威宗(たけむね)が頭を下げてそれに続く。
祖母はああいう性格だが、刀の彼は見た目に似合わず繊細な性格で、よくあの祖母と上手くいっているなと不思議に思っていた。

台所でなにかおやつはないか物色する。
来客の残りなのか、紙に包まれた高級まんじゅうがあったのでそれを掴んだ。

「……そだ」

まんじゅうを三つに増やし、三つの湯飲みにお茶を淹れる。
それらをお盆にのせて、私は屋敷の奥へと向かった。

「大ばあちゃん……」

ふすまを開けた座敷のさらに奥、縁側に座っている小さな人影が見える。

「しっ」

私に気づいた、小学生くらいの男の子が人差し指を自分の唇に当てた。

「おやすみになってますので」

「……そう」

大ばあちゃん――曾祖母を起こさないように、小声で話す。
もう年末とはいえ今日は天気がよく、風もない。
日当たりのいいここの縁側はぽかぽか陽気で眠気を誘うだろう。
とはいえ、齢八十を超える曾祖母は、うとうとしていることが多いのだが。