「バカ、そういうのは今言うな!
死亡フラグってヤツになるだろーが!」

「あ……」

慌てて伶龍が私の口を塞いでくる。
言われればこれは、完全に死亡フラグってヤツだ。
うかつな自分に腹が立つ。

「……ごめん」

「いや、いい」

落ち込んでしまった私の頭を、慰めるように彼が軽くぽんぽんと叩く。

「翠がそうやって、俺のために準備してくれたのは嬉しいし」

軽く、伶龍の唇が重なる。
それだけで機嫌がよくなってる私って、チョロいんだろうか。

「勝って帰るぞ。
勝って帰って、それで翠からプレゼントをもらう」

「うん」

決意を表すように、私の肩を抱く伶龍の手に力が入った。

「でも、つまんねーもんだったら許さねぇからな」

私の顔をのぞき込み、揶揄うように笑った彼が鼻を摘まんでくる。

「ひど。
ちゃんと伶龍の喜ぶもの、準備してるって」

それに私も笑って返す。
伶龍の喜ぶ顔を想像してプレゼントを準備した。
きっと気に入ってくれるはず。
必ず勝って帰って、伶龍に渡すんだ。

「いよいよだな」

「……そうだね」

ふたり仲良く、寄り添う。