土日はアルバイトで埋めてしまっているため、その分放課後の時間を大事にしていた。
アルバイトに関してはほとんど人と話すこともないので順調、と言いたいところだ。
「ね、今度ここ行かない?」
そう言って彼がスマートフォンの画面を見せてくる。
期間限定「まゆタレランド」と書かれたページをみていくと、まゆタレうさぎたちとのコラボアトラクションに乗れるイベントのようだ。
アルバイト後なら一緒に行けるだろうかとスケジュールを考える。
目をキラキラさせている彼をみると気持ちに答えたくなる。
まるで魔法にかけられた気分だと、クスリと笑った。
「楽しそう。まゆクシャ犬のぬいぐるみほしいなぁ」
「うーん、好きなキャラだけは不一致ですな」
どうも彼はまゆクシャ犬をかわいいとは思っていないようだ。
彼の飼い犬であるさぎうさのことも見た目がかわいくないとふてくされている。
”かわいい”の基準は人それぞれだと受け止めることにした。
その点を言えば、野乃花の趣味は理解されがたいだろう。
「やっぱ武藤さんが一番かわいいっ!」
「……ほんと、目立っちゃう」
人目もはばからず、愛情表現をしてくれる。
「でも……好きって言われるのは嬉しいね」
「え? なになに?」
それがくすぐったくて、癖になるのは私のひとりごと。
いつもは私が聞き直すのに、めずらしく彼に聞き返され目を細めて笑った。
「別に! 鈴木くんが好きだなって思っただけ!」
「~~っ武藤さん、かわいい!」
「いたっ……!?」
やはり抱きしめる力加減だけは調整してもらわないと、抱きつぶされそうだ。
歩み寄っていけばなんとかなる。
そう思い、私は息を吐いて彼の背中に手を回した。
こうして私たちはお付き合いをして、お互いを好きになりました。
ちょっと変わった癖「キュートアグレッション」な彼と恋人となったのでした。
弱虫彼女はほんの少し……だけど大きな大きな一歩を踏み出したのです。
おしまい☆
アルバイトに関してはほとんど人と話すこともないので順調、と言いたいところだ。
「ね、今度ここ行かない?」
そう言って彼がスマートフォンの画面を見せてくる。
期間限定「まゆタレランド」と書かれたページをみていくと、まゆタレうさぎたちとのコラボアトラクションに乗れるイベントのようだ。
アルバイト後なら一緒に行けるだろうかとスケジュールを考える。
目をキラキラさせている彼をみると気持ちに答えたくなる。
まるで魔法にかけられた気分だと、クスリと笑った。
「楽しそう。まゆクシャ犬のぬいぐるみほしいなぁ」
「うーん、好きなキャラだけは不一致ですな」
どうも彼はまゆクシャ犬をかわいいとは思っていないようだ。
彼の飼い犬であるさぎうさのことも見た目がかわいくないとふてくされている。
”かわいい”の基準は人それぞれだと受け止めることにした。
その点を言えば、野乃花の趣味は理解されがたいだろう。
「やっぱ武藤さんが一番かわいいっ!」
「……ほんと、目立っちゃう」
人目もはばからず、愛情表現をしてくれる。
「でも……好きって言われるのは嬉しいね」
「え? なになに?」
それがくすぐったくて、癖になるのは私のひとりごと。
いつもは私が聞き直すのに、めずらしく彼に聞き返され目を細めて笑った。
「別に! 鈴木くんが好きだなって思っただけ!」
「~~っ武藤さん、かわいい!」
「いたっ……!?」
やはり抱きしめる力加減だけは調整してもらわないと、抱きつぶされそうだ。
歩み寄っていけばなんとかなる。
そう思い、私は息を吐いて彼の背中に手を回した。
こうして私たちはお付き合いをして、お互いを好きになりました。
ちょっと変わった癖「キュートアグレッション」な彼と恋人となったのでした。
弱虫彼女はほんの少し……だけど大きな大きな一歩を踏み出したのです。
おしまい☆