鳥獣人のコたちは、お昼寝タイムは長めらしい。逆に夜寝る時間は少ないそうなのだが……ちびっ子たちは寝るのもおしごとのうちらしい。
そしてうたた寝などは、ふくろう三つ子ちゃんたちのように立ったまま……と言うこともあるそうだが、お昼寝や夜眠る時はお布団に寝っ転がる。
この世界の鳥獣人あるあるらしい。
ちびちゃんたちのお昼寝用のお布団を用意していれば、ふと気が付く。そう言えば、この世界の鳥獣人たちって……何か、頭に嘴ついてるよな……?
「あの、ヨモギ先生。ちびちゃんたちの頭の嘴って……開くんですか?」
「ぼくは見たことないですけど……オーストラリアガマグチヨダカちゃんずのぱぱの嘴が開いた時は……破滅のビームが出るとか出ないとか……!」
「え……?」
何でビーム出るの!?オーストラリアガマグチヨダカちゃんずのぱぱ何者ぉっ!?
「あと、普通につついては来ますね」
「あ――――……、それは、分かりますね」
だって……。
「つんっ」
「つんっ」
「つんっ」
「つんっ」
「つんっ」
きりくん、はにゃちゃん、ようくんが順番に今太ももの横つんつんしてるんだもん~~~~っ!
嘴の先っぽは尖っているわけではなく、カーブを描いているからそこまで痛くはないんだけど。
でも……これはさすがにやめさせた方がいいのかな……?
「ちゅきっ」
「ちゅきっ」
「ちゅきっ」
「ちゅきっ」
「ちゅきっ」
「ちゅきっ」
ぎゃぁぁぁぁぁ――――――っ!!?これはかわいすぎてもう何も言えない~~~~~~っ!!?
「大丈夫ですよ、今オーストラリアガマグチヨダカちゃんずが好きなひとにしかやらないマイブームなので」
「マイブーム!」
またマイブームかい!いや、かわいいからいいんだけどね。
「そろそろお布団敷けるよ」
そう告げれば。
「わーい」
「おふとぅんー」
「よきよき」
まんまるもふもふボディーでお布団の上コロコロするのかっわいすぎないか!!?
「ほらほら、ツグツグ先生、寝かせてあげないと」
「は……っ、そうでした……っ!」
この三つ子をそれぞれのお布団で寝かせることが一番……大変だった。ひとり寝かせたら残りのふたりが目を覚ます……のローテーションで……。かわいかったけどね。
「さて、その間に我々はごはんですよ」
「はい」
ちびっ子たちが眠っている間にご飯を済ませれば、他のルームから先生たちが来てくれた。みな獣人の先生である。やっぱりこちらの世界のこの国は、獣人が多いなぁ。
しかし……どうして他の先生たちが……?
「親御さんとの連絡ノートを書くんですよ」
「ツグツグ先生はまだ読み書きができないそうですから、お手伝いに」
「あ……!そう言うこと……何かすみません」
「いいの、いいの。助け合いよ」
「そうそう。こっちの世界に来たばかりなんでしょう?」
「……あ、ありがとうございます……!」
最初はいきなり捨てられてどうなることかと思いきや……この世界にも優しいひとたちがいるんだなぁ。