さて、現在はちびちゃんたちのランチタイムである。
「ところで……鳥獣人の子たちって……どうやって食具持つんですかね?」
ペンギン獣人やコウモリ獣人のシェラちゃんはともかく……オーストラリアガマグチヨダカちゃんずも、ヒト族のお手手にあたる部分は……鳥の翼なのである。
「あぁ、それなんですけどね。鳥獣人は……ほら」
ヨモギ先生の視線の先には。
しゅぱっ
きりくんが片翼をあげると、はにゃちゃん、ようくんも息ピッタリに順番にしゅぱっしゅぱっとあげると……。
しゃっきーんっ
今……どうなったの……!?
そして三つ子の翼の先っぽには……どうやったのかスプーンが握られていた……っ!
「え……あれってどうなって……」
シェラちゃんは翼にお手手ついてるからともかく!ペンギン獣人ちゃんはともかく!他の子たちも翼の先っぽで食具握ってる――――っ!?
「あぁ、鳥獣人って、何かあぁできるみたいなんです」
「何かあぁできるって……」
ふわっとしすぎじゃないか!?確かにもふもふふわっふわだけども!
しかしみんな器用だなぁ。うまく持てない子は手伝ってあげたら、ちゃんと持てる……っ!
イオくんのコンドル羽は……ブーメランみたいな角度がかっけぇ。やっぱコンドルはかっけぇ!!
持つのを手伝ってあげれば……。
わぁ、一生懸命もぐもぐ食べてるのかっわい~~いっ!
そしてふと、気が付く。
「はにゃちゃん、それは……」
はにゃちゃんのお皿の中には……何故か紫の野菜っぽいのがたくさん残っている。嫌い……なのか?
「ぎくっ」
分かりやすすぎて逆にかわいいんだけど。
「せんせぇ、あーん」
え、俺に?そんなにひどい味とか……?
「じゃぁ、いっこもらおうかな……?」
はにゃちゃんのスプーンから野菜を受け取って口に運べば。
「ん、これ美味しいね。硬いのかと思ったら、柔らかい」
思えば幼児に食べさせるなら硬い野菜なわけがない。どちらかと言うと……柔らかいにんじん食べてるみたいである。
「はぅっ!!」
はにゃちゃん……?
「はむっ、はむっ、はむっ」
あれ?食べ始めた……?
「大好きな先生が美味しいって言ったから……ですかね……?うふふっ」
あ、そう言うこと!?
でも……それだけ好きになってもらえるとは……会ったばかりなのに嬉しいものである。
「はむっ」
気が付けばはにゃちゃんが紫のお野菜を全部完食していた。
「全部食べられて偉いね」
なでなで、してあげれば。
「カケケケケケケッ」
カケケ……?
でも、嬉しそう。かわいいなぁ。
「それ、オーストラリアガマグチヨダカちゃんの鳴き声ですね」
あ、これが……っ!?新発見であった。