小さめだし、ギリギリ……全員いけるだろうか……?
腕の中に抱えれば、割りとおとなしくしてくれている。
「軽いでしょ?鳥目の獣人の子ってそうなんですよ」
「へぇ……なるほど」
「でも気を付けないと強風で飛ばされることもあります」
「ひえぇっ!?」
このかわいいちびたちが!?
「大丈夫ですよ~、近くに獣人や竜人がいればすぐ受け止めてくれますから。あと、ギルド内で強風は吹きませんから~」
「そ、そうですか」
それなら……安心かな?
「あぁ、あと、私はヨモギ。見ての通りのウサギ獣人です」
「俺は……ヒロツグです」
「ひ……ひ……」
やっぱり言いにくいのかな……?
ヨモギさんはありなのによく分からん!
「ギルマスにはツグツグって呼ばれてます」
「ツグツグ!」
あ、それだとすんなりいけるんだ、やっぱり。
「じゃじゃん!託児所はこちらでーす」
内装はほんわか柔らか配色にデザイン。こう言うのってやっぱり落ち着くよなぁ。
「種族によってお昼寝事情や食事事情なんかが異なるので、ある程度は分けているんですよ。ぼくの担当はここの鳥目獣人のちびちゃんですね」
「じゃぁ……ほかの獣人の子とか……ヒト族の子もいるんですか?」
「別のスペースにいますよ。昼間はお預かりする子が多いので、分けてますね。夜は寝る子が多いのと、スタッフの確保の関係で1ヵ所に集めますけど」
「え、夜も預かるんですか?遅くまで……?」
それにしては……寝る子が多いって……。
「完全に、お迎えのあるまで泊まりですよ。冒険者って夜もクエストに出てることあるんで。あと、泊まりのクエストとか」
「あー……そういうこと」
冒険者ギルドの託児所ならではなのかもな。
「でも突然他種族の子をみる夜間スタッフは任せないので安心してください!」
「……あ、はい」
まぁ、種族ごとに違いがあるなら……確かにそうかも。
「ツグツグ先生は三つ子ちゃんたちのふくろうぐみ……猛禽類のちびちゃんたちのお世話をお願いします」
「あ、はい」
ヨモギさんがふくろうぐみが過ごすスペースに案内してくれる。
そしてゆっくりとカーペットの上におろしてあげれば。
「もふっ」
「もふっ」
「たすまにあ!」
何故タスマニアを知ってるんだろう。オーストラリアだからだろうか。やっぱりオーストラリアガマグチヨタカだからだろうか。
しかしもっふもっふしながら3人で一斉に見上げてくれるところは……かわいい……っ!タスマニアでも……いいと思う……っ!
「でもやっぱりこの子たち、ふくろうの仲間なんですね」
ふくろうよりもちっちゃいけど……確かに似ているなぁ。近くでうとうとしているふくろう獣人の三つ子ちゃんとも、大きさは違えどよく似ている。
一方でヨモギさんは数拍待った後、首を傾げた。
「……いいえ……?」
ち、違うの!?
そして三つ子ちゃんの中の……半目がちなコが、紅一点のはにゃちゃんと、眠たげなコを見る。
「ねぇねぇ、知ってる?ぼくたちって、ふくろうじゃないんだって!」
早速習ったこと復唱……!
「んまっ」
はにゃちゃんのその反応は……幼児っぽくない気がするのは気のせいだろうか。ままの真似かな?
「えーっ!」
眠たげなコはびっくりして完全に目が覚めたようで、まん丸お目目をぱちくりしてる。
「で……でも、猛禽類、なんですよね?」
「……いいえ?」
え――――っ!?じゃぁなんでふくろうぐみ~~っ!
「まぁまぁ、ほかのコたちとも仲良しなんで大丈夫ですよ」
「いやぁ……仲良しなのはいいですけど……」
この世界では……こう言うゆるゆるでいいんだろうか……?そうなら、郷に入っては郷に従えって言うし……。
「ではみんな~~!新しく来てくれたツグツグ先生にお名前いっえるっかな~~?」
まぁ……お名前を教えてくれるのはありがたいから、聞いておこう。
「きりっ!」
半目がちなコがキリッとしながら教えてくれる。
よくできましたと頭をなでなでしてあげれば……想像以上にもふい~~っ!
「はにゃ!」
はにゃちゃんはさっきもお名前言ってくれたっけ。はにゃちゃんもなでなで。
「よう」
眠たげなコはようくんって言うんだ。なでなで。
「……すごい幸せ……」
何だこのもふもふパラダイス!
そして三つ子ちゃんがもふもふしながら身体を擦り付けてくれる。
「か……かわいすぎるんですが……っ」
「ほんとかわいいですよね~~!ぼくもついついもふもふすぎてうたたねを……」
「え?」
まさかそれで三つ子ちゃんが脱走したのでは……っ!?
「ただの寝不足なので、ツグツグ先生が手伝ってくだされぱうたたねしません!」
「……そ、そう、でしたら」
一瞬不安になったのだが、まぁでも、俺もちびちゃんたちの世話はしてみたいしなぁ。就寝も……大事だ。
「ではでは、続いてふくろうぐみの、エゾフクロウの三つ子ちゃん」
いや、やっぱり何で地球の地名が入ってるんだろう。
でもおねむみたいだし……そう思っていれば、はにゃちゃんがエゾフクロウ三つ子の元にとたとたと来てくれて……。
「ホロくん、ヨルくん、コノハちゃん!」
おぉっ!紹介してくれた!
「紹介してくれてありがとう」
なでなで……。やっぱりもふくて最高うぅっ!
「それから、コンドル獣人のイオくん」
コンドル!?かっけぇっ!
そしてコンドル獣人のちびちゃんは……。髪や頭が黒っぽく、下のもふもふが白もふもふ。
コンドル獣人ももっもふっ!
「それから、コウモリ獣人のシェラちゃんです」
「シェラちゃん、よろしくね」
「うんっ!」
襟もふがたいそうもふもふなコウモリ獣人の女の子……。
あれ……?そのー……コウモリって猛禽類とかどうとか言う前に……鳥か……っ!?