お泊まりルームには夜にお子さんを預けに来る親御さんもちらほら目にするのだが……。何故センさんが?普通に鳥目獣人っ子の元に行くのかと思っていた。
そして、何故か。
「わぁー」
「シェラちゃー」
「おとまりー」
三つ子たちまでこちらに!?
さらには。
「ん、おれもっ!」
コンドル獣人のイオくんも!?
シェラちゃんをおろしてあげれば、ちびたちが早速もふまみれにしていたから……シェラちゃんも大丈夫そう。
やっぱりおともだちと一緒だと心強いかもな。しかし……どうしてみんな来たんだろう……?
「急遽、夜預かってもらうことにしたから。イオも一緒に。ギルマスには許可とってる。ブレイブはクリシュナが帰ってきたら届け出出すって」
ブレイブさんも……急なお仕事なのかな……?
あと……クリシュナさんって……どっかで見た名前……あ、名簿に載ってた……シェラちゃんのぱぱの名前!?
「それは……シェラもおともだちと一緒なら寂しくないだろうが……」
「ギルド内だから大丈夫だと思うが……緊急案件だから」
「あぁ……そういう……」
ラン先生は納得しているようだが、緊急案件って何だ……?
「……ってことで、ツグツグ先生を借りる」
はいっ!?何でですか、センさん!?
「ん、分かった」
ラン先生に普通に売られたっ!?
いや、まぁちびちゃんたちには手を振って別れたが……一体どこへ?
「あ、まだふくろう獣人の三つ子ちゃんたちが……」
お迎えまだだったと……。
「あっちも、ルーたちに途中で会ったから平気。事情は知ってる」
そうなの!?ルーさんって、ふくろう三つ子ちゃんずのぱぱの名前だよね。
「ふくろうの三つ子たちにも説明してくれっから、明日顔を出してやりゃぁいい」
「それなら……」
安心かな?でも俺はどこに向かわされるんだろうか。
途中冒険者ギルドのロビーを通った時。
「あら、ツグツグ先生!」
「お、ソイツがツグツグか!確かにクリシュナに似てんなぁ、角ねぇけど!」
ティアさんと、もうひとりの鳥獣人……いや、明らかに知り合いのコンドル獣人に似た羽毛のその女性は……まさか……。
「ツグツグ先生は初めてよね。イオちゃんままよ」
「リーゼだ!いつもイオが世話になってんな!」
「いえ……こちらこそ……!でもどうして……」
リーゼさんは冒険者だから……槍を持っていてもおかしくはないのだが……何故かティアさんも……それ薙刀……?
「お店は大丈夫なんですか?」
いつもはお迎えにくる時間だが、しかし何故薙刀持ってるんだろう。
「今晩は緊急だから、飯屋は臨時休業よ」
「緊急って……」
「ギルマスんとこ、行くぞ」
センさん!?行き先ギルマスのとこ!?緊急だってことと関係してんの!?
「こっちは任せて!ギルドに手出ししてきても、この私がぶっ飛ばしてやるぜ!」
「リーゼちゃんカッコいいわ~~」
リーゼさんもリーゼさんで何か物騒なこと言ってる~~っ!ティアさんは相変わらずのほほんマイペースだけども!