メガネ屋で私は伊達メガネ、奏お姉ちゃんはいつも通りのメガネを買った――レンズの関係で実際に届くのは来週になるらしい――。それから奏お姉ちゃんの洋服を見るだけ見た。ただ、ちょっと高くて手が出なかったので、買うのはまた今度ということになった。
そういうわけで洋服も見終わったので、一旦の休憩として大手チェーンのファミレスに入った。私はお腹にまだお昼ご飯が残っている感じがあるのでコーヒー1杯を注文する。奏お姉ちゃんはコーヒーにパンケーキも食べる。流石は奏お姉ちゃんだ。
それぞれ注文して、届くのを待つだけだ。と言っても、ファミレスのコーヒーだからそんなにワクワクはしないかなあ。一方の奏お姉ちゃんは目を光らせていた。
「パンケーキ、楽しみだねぇ」
「いつも思うけど、お姉ちゃん本当よく食べるよね。しかも、美味しそうに」
「そうだねぇ。私は好き嫌いが殆どないから、何が出てきても楽しみってのはあるかなぁ。こういう店でも変わらないよぉ。それぞれに特徴とか違いがあるから、それが楽しみなんだぁ」
うんうんと頷きながら、奏お姉ちゃんは答える。なるほど。奏お姉ちゃんの舌はそれなりに繊細なようだ。でも、決して贅沢ではなく安いものでもいいというお得な舌をお持ちらしい。羨ましいし、上の姉2人には見習ってほしいくらいだ。
ただ、それなら誰の料理が一番美味しいとかはなさそうだ。私のもきっと、その他大勢の1人なんだろう。そう思って、勝手に少し落胆していた。
「それならどこででも生きていけそうね。誰のが1番とかなさそうだし」
私がそう言うと奏お姉ちゃんは首を横に振った。
「違うよぉ。1番は美優羽ちゃんの料理だよぉ」
衝撃の言葉に思わずえっ、という言葉が出てしまった。ま、まままさか私の料理が1番と言うなんて思ってなかったから、びっくりしてしまった。
「今日の麻婆豆腐も美味しかったけど、1番は美優羽ちゃんだよ。だから、私はずっと美優羽ちゃんの料理が食べたいなぁ」
お姉ちゃんは柔らかな表情をしていた。私は嬉しさとちょっとの恥ずかしさで体温が急上昇していた。顔はもしかすると少し赤くなっているかもしれない。
さらっととんでもないこと言うなぁ、お姉ちゃんは。そう言う所が好きになってしまうポイントだ。素直にとんでもなくストレートに相手を褒める。奏お姉ちゃんが時々することだ。間違いなく裏表もお世辞もないから、言われた人は恥ずかしさもありつつ、とても嬉しい気分になる。
「ほ、褒めたって何も出ないわよっ」
私は照れ隠すように思ってもないことを口に出してしまう。こう言う時に素直に言えればもっといいんだろうけどなあと、内心では思ってしまう。ただ、そんなことを言われても奏お姉ちゃんは表情を崩さない。
「わかってるよぉ。けど、そうやって照れ隠している美優羽ちゃんもかわいいねぇ」
奏お姉ちゃんはそう言いながら、私の頭を優しく撫でてきた。
「……っ‼︎」
思ってもない言葉と行動に私の体温がグッと跳ね上がる。心臓が大きく鼓動する。今の表情は何物よりも真っ赤になっていることだろう。いつもならこんな事言わないだろうし、しなさそうなのになんで。嬉しい、超嬉しいけどなんで。なんで。頭はそれで一杯だ。
「美優羽ちゃん顔真っ赤だよぉ。嬉しいの?」
奏お姉ちゃんはちょっと柔らかくも悪戯めいた表情をしている。小悪魔系なんて言葉があるが、まさに今の奏お姉ちゃんはそんな感じだ。普段の天使のような感じは殆どない。
私はからかわれているのだろうか。あの奏お姉ちゃんが私を? 今までそんな事された事ないのに、なぜ急に? もしかして私の好きに気付いた? 私の頭と心は混乱と嬉しさと色んな感情でぐちゃぐちゃになってしまう。奏お姉ちゃんの問いには答えられなかった。
奏お姉ちゃんは頭へのナデナデを一切止めなかった。
そんなタイミングで、パンケーキとコーヒーが運ばれてきた。
「あっ、美味しそう。食べよっ」
奏お姉ちゃんのナデナデはここで終わった。これは、良かったのだろうか。悪かったのだろうか。もし、ここで運ばれなかったらどんなことになってたんだろうか。私はどうなってたっんだろうか。
奏お姉ちゃんがパンケーキを美味しいそうに頬張る中、私は味の感じなくなったコーヒーを飲み進めていた。
そういうわけで洋服も見終わったので、一旦の休憩として大手チェーンのファミレスに入った。私はお腹にまだお昼ご飯が残っている感じがあるのでコーヒー1杯を注文する。奏お姉ちゃんはコーヒーにパンケーキも食べる。流石は奏お姉ちゃんだ。
それぞれ注文して、届くのを待つだけだ。と言っても、ファミレスのコーヒーだからそんなにワクワクはしないかなあ。一方の奏お姉ちゃんは目を光らせていた。
「パンケーキ、楽しみだねぇ」
「いつも思うけど、お姉ちゃん本当よく食べるよね。しかも、美味しそうに」
「そうだねぇ。私は好き嫌いが殆どないから、何が出てきても楽しみってのはあるかなぁ。こういう店でも変わらないよぉ。それぞれに特徴とか違いがあるから、それが楽しみなんだぁ」
うんうんと頷きながら、奏お姉ちゃんは答える。なるほど。奏お姉ちゃんの舌はそれなりに繊細なようだ。でも、決して贅沢ではなく安いものでもいいというお得な舌をお持ちらしい。羨ましいし、上の姉2人には見習ってほしいくらいだ。
ただ、それなら誰の料理が一番美味しいとかはなさそうだ。私のもきっと、その他大勢の1人なんだろう。そう思って、勝手に少し落胆していた。
「それならどこででも生きていけそうね。誰のが1番とかなさそうだし」
私がそう言うと奏お姉ちゃんは首を横に振った。
「違うよぉ。1番は美優羽ちゃんの料理だよぉ」
衝撃の言葉に思わずえっ、という言葉が出てしまった。ま、まままさか私の料理が1番と言うなんて思ってなかったから、びっくりしてしまった。
「今日の麻婆豆腐も美味しかったけど、1番は美優羽ちゃんだよ。だから、私はずっと美優羽ちゃんの料理が食べたいなぁ」
お姉ちゃんは柔らかな表情をしていた。私は嬉しさとちょっとの恥ずかしさで体温が急上昇していた。顔はもしかすると少し赤くなっているかもしれない。
さらっととんでもないこと言うなぁ、お姉ちゃんは。そう言う所が好きになってしまうポイントだ。素直にとんでもなくストレートに相手を褒める。奏お姉ちゃんが時々することだ。間違いなく裏表もお世辞もないから、言われた人は恥ずかしさもありつつ、とても嬉しい気分になる。
「ほ、褒めたって何も出ないわよっ」
私は照れ隠すように思ってもないことを口に出してしまう。こう言う時に素直に言えればもっといいんだろうけどなあと、内心では思ってしまう。ただ、そんなことを言われても奏お姉ちゃんは表情を崩さない。
「わかってるよぉ。けど、そうやって照れ隠している美優羽ちゃんもかわいいねぇ」
奏お姉ちゃんはそう言いながら、私の頭を優しく撫でてきた。
「……っ‼︎」
思ってもない言葉と行動に私の体温がグッと跳ね上がる。心臓が大きく鼓動する。今の表情は何物よりも真っ赤になっていることだろう。いつもならこんな事言わないだろうし、しなさそうなのになんで。嬉しい、超嬉しいけどなんで。なんで。頭はそれで一杯だ。
「美優羽ちゃん顔真っ赤だよぉ。嬉しいの?」
奏お姉ちゃんはちょっと柔らかくも悪戯めいた表情をしている。小悪魔系なんて言葉があるが、まさに今の奏お姉ちゃんはそんな感じだ。普段の天使のような感じは殆どない。
私はからかわれているのだろうか。あの奏お姉ちゃんが私を? 今までそんな事された事ないのに、なぜ急に? もしかして私の好きに気付いた? 私の頭と心は混乱と嬉しさと色んな感情でぐちゃぐちゃになってしまう。奏お姉ちゃんの問いには答えられなかった。
奏お姉ちゃんは頭へのナデナデを一切止めなかった。
そんなタイミングで、パンケーキとコーヒーが運ばれてきた。
「あっ、美味しそう。食べよっ」
奏お姉ちゃんのナデナデはここで終わった。これは、良かったのだろうか。悪かったのだろうか。もし、ここで運ばれなかったらどんなことになってたんだろうか。私はどうなってたっんだろうか。
奏お姉ちゃんがパンケーキを美味しいそうに頬張る中、私は味の感じなくなったコーヒーを飲み進めていた。