通常教室と特別支援学級を行き来することが当たり前になってから、クラスに馴染められなくて浮いていた私は特別支援学級では自然体でいられるようなそんな場所になっていった。その反面、特別支援学級から通常教室に戻ると一瞬だけど見てくる視線が怖かった。

ここまでは、まだ何も起きていなかった。いや、何も起きていないように見えていただけなのかもしれない。

小学5年生のある日のこと。

私はいつも通りに、学校に登校した。その日の朝は、何故か周りの人が騒がしかった。
その時に私の友達である子が話しかけてきた。

どうやら、私は半年前くらいから陰口されていてそのことが発覚したらしい。

その言葉を瞬間、思考が止まって頭が真っ白になった。
それと同時にいじめのターゲットになっていたんだなと受け入れたくないのにそうだったんだと少し受け入れている自分がいた。

けど、私は友達に心配をかけたくなかったためすぐに笑顔を貼り付けて気持ち鎮めて友達に「私は大丈夫だよ」「私はこんなことで傷つかないよ」と言った。

友達は心配そうにいたけど、丁度その時チャイムが鳴った。

チャイムが鳴ったので私の友達や周りで騒いだりしている子たちが自分の席についた。
友達が私のそばを離れてからも泣いたりしないように深呼吸をして頑張って心を鎮め続けた。

私がいた小学校では、先生のお話や係・委員会からの連絡などを行う朝の会をする前に朝読書をしていた。

その朝読書の時間に担任の先生が私を廊下に呼び出した。


そして先生は、「◯◯さん、前から陰口をされていたそうです」と話し始めた。
私は「なぜ陰口をされているのか心当たりがない。わからない。」とちゃんと伝えた。

先生と話し合っているとき私は、先生からも陰口をされていたことを告げられて本当のことなんだと信じたくないけどそうなんだってしっかり思い始めた。
その瞬間に頑張って心を鎮めていたり、涙が溢れて来ないようにしていたものが一気に溢れ出した。先生はそんな私の泣いてしまった姿を見ても「泣いているのは、あなたが悪くない証拠だね」と優しく頭を撫でてくれた。その時、私は嬉しかった。真摯に向き合ってくれたから。

その後、私と担任の先生は教室に入った。私はまだ、涙が止まることなく溢れていたのを少し恥ずかしく思っていたけれど、先生がみんなに向かって今回のいじめについて指導してくれた。

けれど、そう簡単にいじめがなくなることはなかった。

朝、学校を登校して玄関に入って自分の上履きが入っているところを見ると片方だけ別の子の上履きと入れ替わっていたり、私が学校を休むと「やった〜!」と喜ぶ人がいたりなど辛く苦しい日々が続いた。

それから、だったと思う。
特別支援学級が息がしやすい場所になったのは。
周りの子と関わるのが怖く苦手意識が高まったのは。

私はそれでも、学校に通い続けた。
死にたいと自然と思っても、私の登校靴が投げ捨ててあるのを発見するとすぐに先生に知らせてくれたりとずっと味方でいてくれた友達。
何回もいじめが見つかったことで元々やる予定だった授業を変更して指導してくれた先生がいてくれるから。
悲しませるようなことはしたくない。頑張ろうと思って、ずっと頑張り続けた。

そうして小学校を卒業した。