家に帰る気分にはどうしてもなれなくて、なんとなく近所の公園に立ち寄った。


ブランコに揺られながら、ぼーっとして、また泣いて――を、何度も繰り返した。

日はとっくに沈んでいた。冷たい風が、ひゅるりと通り過ぎ、さむ、と思わず目を瞑る。



しばらくして、足音が聞こえた。道路の方から、数人。

「じゃーな」「明日さぼんなよー」とか、楽しそうな声がして、だんだん遠くなっていく。

独りの自分が、なんだかみじめに思えた。