…そんなことないか。

駿二には普通だったしな。
藍とは…喋ってなかったけど、いつもそんな感じだったよなぁたぶん。

「見て!藍ちゃんが部活のスケジュール作ってくれた!」

じゃんっと駿二がスマホを見せる。

昼休み、隣のクラスの駿二がベランダの通路伝いにうちのクラスまでやって来た。

呼ばれたら外に出るしかないから、教室の後ろのドアから出てコンクリートで出来た柵の方に背中を向けそのままもたれかかった。

「すごい、時間までしっかり書いてある」

「なぁー、さすが藍ちゃんよなー!しかも手書きじゃなくてパソコンで作ってくるのがすごいよなー!」

今日から文化祭の日まで、練習内容も、先生が確認する日も書いてあるし体育館で練習出来る日も確認してくれたみたいだ。

「てか奏にも来てない?これグループLINEに来たやつだから、テンション上がって奏んとこまで来ちゃったけど」

「あ、本当だ来てる」

お弁当食べてて気付かなかった。
わざわざこんなにちゃんと作ってくれたんだ。

だけど…

「俺、バイトあるから毎日部活は無理かも」

「いいよいいよ、出られる日だけで。奏は俺より上手いしちょっとぐらい休んでもイケるっしょ!」

「うん、ごめん」

「気にすんな気にすんな!」

届いたスケジュールの画像をタップしてスマホに保存した。