「…1つ聞いてもいい?」
「何?」
「どうして歌わないの?」
いつ聞いても歌ってるとこは見たことがない。何度前を通り過ぎてもギターを弾くばかりで、一度も声を聞いたことがない。
これはずっと私が気になっていたこと。
様子を伺うように奏くんの方を見た。
必然的に目が合って、その顔はきょとんとしていた。
え、その顔は…?
次の瞬間、私から目を逸らして前を向いた。
ギターを構えるようにして、すぅっと大きく息を吸った。
歌ってくれるの?
初めてだ、ずっと気になっていた歌声を聞かせてくれるんだ…!
ドッドッ、と気持ちが高まっていく。
どんな声なんだろう?
聞きたくても聴けなかった。
いつも私を惹きつけてた、やっと聴ける…
「□♦×〇▲◎゛~♬!!!」
「………。」
今度は私がきょとんとしてしまった。
その曲は今流行ってるJ-POPで私でも知ってた、知ってたけど…
そんな曲だったっけ?
メロディーそれで合ってたっけ??
なんか全然違うと思うんだけど。
「ね、歌わない理由がわかったでしょ?」
そんなドヤ顔で言われても。
歌わせた私が悪いみたいな。
「…うん、めっちゃ下手だね」
「あ、そんなハッキリ言われたの初めてかも!」
ごめん、って謝ろうと思ったらなぜか嬉しそうに笑ってて掴めない人だなと思った。
そんでもってそのまま歌い始めた。
「えっ、まだ歌うの!?もういいよ!」
「え、だって灯璃が歌わないの?って言うから」
「言ったけどっ、歌わない理由が聞きたかっただけだからっ」
「何?」
「どうして歌わないの?」
いつ聞いても歌ってるとこは見たことがない。何度前を通り過ぎてもギターを弾くばかりで、一度も声を聞いたことがない。
これはずっと私が気になっていたこと。
様子を伺うように奏くんの方を見た。
必然的に目が合って、その顔はきょとんとしていた。
え、その顔は…?
次の瞬間、私から目を逸らして前を向いた。
ギターを構えるようにして、すぅっと大きく息を吸った。
歌ってくれるの?
初めてだ、ずっと気になっていた歌声を聞かせてくれるんだ…!
ドッドッ、と気持ちが高まっていく。
どんな声なんだろう?
聞きたくても聴けなかった。
いつも私を惹きつけてた、やっと聴ける…
「□♦×〇▲◎゛~♬!!!」
「………。」
今度は私がきょとんとしてしまった。
その曲は今流行ってるJ-POPで私でも知ってた、知ってたけど…
そんな曲だったっけ?
メロディーそれで合ってたっけ??
なんか全然違うと思うんだけど。
「ね、歌わない理由がわかったでしょ?」
そんなドヤ顔で言われても。
歌わせた私が悪いみたいな。
「…うん、めっちゃ下手だね」
「あ、そんなハッキリ言われたの初めてかも!」
ごめん、って謝ろうと思ったらなぜか嬉しそうに笑ってて掴めない人だなと思った。
そんでもってそのまま歌い始めた。
「えっ、まだ歌うの!?もういいよ!」
「え、だって灯璃が歌わないの?って言うから」
「言ったけどっ、歌わない理由が聞きたかっただけだからっ」