「今日藍ちゃんいないから1人じゃん、1人で帰れるか?」

「帰れるよ!毎日帰ってんだから」

幼馴染みだからね、家が隣とかそんな感じで方向は一緒だよね。

そんな風に思ってたのに…


「あ、でも家帰ったら藍ちゃんいるか」


………、え?


帰ったら折原さんが…いる?



すぐに思い出したのはひまわりのキーホルダーの付いた家の鍵だった。


奏くんの鍵であり、折原さんの鍵。



「今日先帰ってたもんな」

仲の良い幼馴染みなんだなって、でも幼馴染みだから仲良いのはあたりまえかって…


でも違うのかな。 

本当は仲の良い幼馴染みだけじゃないのかな。


「じゃあ俺職員室行って来るから、じゃあ!」

「おぅ、また明日!」

慌てて同じように手を振った。

ばいばいって、悟られないように。

「じゃ、俺ら帰ろうか」

「は、はいっ」

駿ちゃん先輩が歩き出した隣を追いかけるように歩いた。さっきの言葉が気になって、聞こうかどうか迷った。

「あのっ、奏くんと折原さんって…」

「あぁ、灯璃ちゃん知らない?」

下駄箱まであと少し、聞かなかったことにした方がよかったのかもしれない。



「あの2人一緒に住んでるから」



だって他に意味なんてないよ。

ただの仲の良い幼馴染みでは片付けられない。


そーゆう意味しか…、ないよ。