すぅっと手を伸ばした。掛かっているキーホルダーを手にしようと、だけどその瞬間左側からも同じように手が伸びて来た。

「あ…っ!」

隣を見ると折原さんも同じガラス細工のひまわりのキーホルダーに手を伸ばしていた。

「折原さんも、買うの?」

「……。」

「…。」

「…うん」

無視されたかと思った…!
めっちゃ沈黙長いからっ

「あ、そのひまわりのキーホルダー可愛いねっ」

さらに後ろからひょこっとしなのちゃんがやって来た。そのままキーホルダーを取るのはなんか気詰まりですぐに手を下ろした。

まだいくつも残ってるけど、同じのを買うのはちょっと…


「藍、ひまわり好きだよね」


奏くんはそう言ってたわけじゃない。 

私が思ってるだけ、そして折原さん“は”好きなんだ。

そんなのよくあることだとは思う、ポピュラーな花だし、好きな花は?って聞かれたら桜かひまわり時々チューリップぐらいじゃん?

それに似ちゃったりするのかもしれないし、幼馴染みだったら…

「ともりんも好きなの?」

「え、うん…私は普通かな」


奏くんは好き?


聞いとけばよかったな。

それとも聞かない方がいいのかな。


折原さんと、仲良いもんね。



折原さんが私を拒む理由がそこにあるのかもしれないよね。