「あ、でも藍とは…ちょっとあれだよね?なんかごめんねっ」

「ううん!別にしなのちゃんが謝ることじゃないし、てゆーか別に折原さんと何かあったわけでも!」

ないんだよね、それは。
でも目は合わせてくれないし、どうも感じる距離感が…なんとも言えなくて。

「藍、ちょっと人見知りするタイプだからさ」

「そう…なんだ」

それを言われたら私だって得意な方ではないけど、それよりも感じるものがある気がして。

しなのちゃんに対しても、駿ちゃん先輩にも、奏くんにも…

感じないあるものが。

「うん、そんな感じだと思う!」

その場にしゃがみ込んで道具を片していたから、それが下を向いているように思えたのかもしれない。

「…たぶん」

かすかに聞こえたその“たぶん”はさっきまで笑っていたしなのちゃんとは思えなくて、やっぱり私の中の疑問が膨らんでいく。


薄々は感じていた。

これは私にだけなんじゃないかって。

私にだけそうなんじゃないかって…
きっとあんまりよく思われてない、のかなって。


最初に見たに感じた、私を見る視線に込められた敵意を。


何が理由なんだろ、私折原さんに何かしたかな…


さっきのジャガイモはよくなかったかもしれないけど、でも全然ジャガイモの前からだからこれは関係ないはず…


何が理由なのかな。


折原さんが私を敵対視する理由って。

できるだけ身をひそめて生きて来たはずなのになぁ。


「ともりん!そろそろ戻った方がよくない!?今からひまわり観察だよ!」

「あ、ほんとだ!急がなきゃ!」