来週の部活の時までに文化祭で演奏する曲を決める、そしたら練習も始まって部活動も忙しくなるみたいなんだけど…



その前にもう1つあったんだった。


「ともりん危ない!」

「!?」

天気は晴れ、気候もいつもよりは涼しい…なんてたってバスに揺られ山の方へやって来たから。

「その包丁の持ち方は怖くない?ピーラーあるから使いなよ」

「ありがとう、しなのちゃん…!」

学校から離れて今日は課外研修、お昼ご飯のためにみんなでカレーを作る。超定番なこの段取りにもう少し料理できるようにしとけばよかったと思いながらピーラーを受け取った。

しなのちゃんに誘われて、同じ班になれた。

「藍玉ねぎ切るのめっちゃ早くない?」

「玉ねぎはスピード勝負なの」

あと折原さんも。
女子は3人であとは男子の班とくっついて1つの班、誘ってもらえなかったら絶対余ったとこに入れられてた。

「しなの、ご飯は?」

「男子がやってくれるって、その代わりにうちらに野菜全任せだけど」

「そっか、じゃあ私玉ねぎ炒めちゃうから」

マネージャー業務も手際がよかったけど、料理もこの上なく手際がよかった。キレイに切られた玉ねぎをフライパンに入れ軽やかな手つきで炒め始める。

「ともりん、ジャガイモ剥けた?」

「うん、あとちょっと!」

ピーラーを借りても一苦労な私はまだ剝き終わらなくて、しなのちゃんに手伝ってもらった。