「中学生が1人じゃ危ないよ」

「な…っ」

にこっと笑って私の目を見て言った。
その言葉に私のスイッチが入る。

「高校生だから!!!」

アタリの書かれたガリガリ君の棒をぎゅっと握ってすぐに立ち上がった。

「帰るっ!!!」

キッとお兄さんを睨むように、ふんっと鼻を鳴らして歩き出した。

スタスタと足早に、イラっとしちゃってどんどんスピードは早くなった。

失礼なっ!!
いくらちょっとちっちゃいからってさ、人よりちょっと小さい154センチだけどさ!そこまでちっちゃくないもん!!

「ひど…っ」

足を止めた信号の前、すでにお店の閉まっているカフェのガラスに光りが反射して私の姿が写っていた。

「…ひどいな、私」

Tシャツに短パン、肩まで伸びた髪の毛を1つに束ねた超ラフな…こんな格好してる私もあれか。しかもキャラクターTシャツって、中学生に思われても仕方ないかも。

「あんな怒らなくてもよかったかも…」

はぁっと息を吐いた。
自分の格好を眺めながら。

「ついでに聞けばよかったなぁ」


“それ誰の曲なの?”って。

知りたかった。


また会えたら、聞いてみよう…かな。