「今日どうする?文化祭の打ち合わせするか、もう2学期入っちゃったしな~」

スマホをズボンのポケットにしまった鮎森先輩がくるんっとターンをしてホワイトボードの方を向いた。

「いや!その前に名前だ!まだグループ名決まってなかった!!」

書きかけだったホワイトボードを見て思い出したらしい。そーいえば途中だった、グループ名案って書いただけで止まってた。

「あ、俺今日バイトだから」

奏くんが長机の上に置いてあったスクールバッグを肩に掛けた。

バイトしてるんだ、うちの学校バイトは自由だけど。

「え~~~~?マジかよ〜〜〜!?今日一応活動日だぞ!」

「うん、ごめんね」

「いいよ!!」

奏くんと鮎森先輩の温度差がすごい、すごく単調なごめんねに対してめちゃくちゃオーバーリアクションで返してる。

これが奏くんと鮎森先輩なのかな。

奏くんがこっちを向いた。

「またお菓子、買ってくるね」

にこっと笑って。

「奏マジで好きだよな」

「うん、そのためにバイトしてるから」

「駄菓子屋行きたくてバイトしてるってなんだよ」

え、何その理由…?
確かにヤングドーナツが好きとは言ってたけど、それでバイトしてるの??

奏くんってどことなく掴めない人だなって思ってたけど、知れば知るほどわからなくなるような気がする。