「同じクラスよね」

「え、あ、うん!」

折原さんに話を振られるとは思ってなくて緊張が声に出てしまった。絶対不自然だった。

「そうなんだ、じゃあいいね!」

何がいいのかわからなかったけど、鮎森先輩がそう言ったからとりあえず「はい」とだけ返した。

「藍ちゃんは軽音部じゃないけど、まぁだいたい軽音部みたいな感じで」

「説明下手過ぎませんか」

「俺らのスペシャルアドバイザー的な存在ね!」

「絶対違うと思いますけど」

鮎森先輩がホワイトボードにスペシャルアドバイザーと書いた。グループ名を決める話はもういいのかな。

「俺らの演奏を聞いてくれて、意見くれたり、行事のあれこれ手伝ってくれたり、まぁマネージャーみたいな役かな」

スペシャルアドバイザーの隣に矢印が引かれ、その先にマネージャーと書いた。

そっか、運動部にもマネージャーってあるもんね。軽音部にもあるんだ。

「あ!ちなみに何で藍ちゃんは軽音部じゃないかと言うと壊滅的に歌が下手だからね、奏以上に」

「それ別に言わなくてよくないですか!?」

くすくすと奏くんが笑って、ここは笑うとこなんだってなんとなく思ってた。

「まぁまぁまぁ友情出演みたいなもんだよね」

もちろん私は笑えなかったけど、次の言葉を聞いたら…


「奏と藍ちゃんは幼馴染だからね!」