「…………。」
今日はいつもよりほんの少しだけ涼しかった。
たぶん1℃くらい。
だからちょっとだけ、もう少しだけ聞いてみよっかなってお兄さんの座る隣のベンチに腰かけた。
ガリガリ君食べたら帰ろう。
食べ終わるまでの間、この曲をBGMにしてガリガリ君を楽しもう。
この歌がいいのはもちろんだけど、お兄さんのギターはさらに私の胸をぐりっとえぐって来る。
あんまりギターの上手い下手ってよくわかんないけど、お兄さんはめちゃくちゃ上手いと思う。
だってガンガンと胸に響いてくるから。
すごいな。
私にはこうやって人を引き止める能力なんかないから。
ただの高校生、何も誇れるものなんかない。
サクッと一口かじった。
口の中で溶けるのを待つよとシャリシャリと噛んで食べるタイプの私はガリガリ君を食べるのも早いから、この時間もきっとほんの少し。
にしても…
いい曲だよね、誰の曲なんだろう。
有名な曲じゃないのかな、あんまり音楽には詳しくないから全然ピンと来ないんだよね。
どこか切なくて、でも温かい…
胸の奥をきゅってさせる。
スルスルと耳に入り込んで来るメロディーが心地よくて、自然と微笑みたくなるような優しい曲。
食べ終わってもまだ聞いていたいくらい…
「やば!当たった!!」
最後の一口を食べてふと視線を下ろした時、残された棒に書かれた文字に気が付いた。
え、初めてなんだけど!
夏休み入ってもう30日、1回も当たったことなかったのに!
「やった…っ」
って声を出して気付いた、こっちを見ている視線に。
「……っ」
「…。」
にこっと微笑んだ。
私を見て、ギターを弾くのをやめたお兄さんが。
柔らかく頬を緩めて笑った。
なんて優しい表情で笑う人なんだろう。
奏でていた曲よりもきゅってなった。
心の奥が、鳴ったみたいに。
今日はいつもよりほんの少しだけ涼しかった。
たぶん1℃くらい。
だからちょっとだけ、もう少しだけ聞いてみよっかなってお兄さんの座る隣のベンチに腰かけた。
ガリガリ君食べたら帰ろう。
食べ終わるまでの間、この曲をBGMにしてガリガリ君を楽しもう。
この歌がいいのはもちろんだけど、お兄さんのギターはさらに私の胸をぐりっとえぐって来る。
あんまりギターの上手い下手ってよくわかんないけど、お兄さんはめちゃくちゃ上手いと思う。
だってガンガンと胸に響いてくるから。
すごいな。
私にはこうやって人を引き止める能力なんかないから。
ただの高校生、何も誇れるものなんかない。
サクッと一口かじった。
口の中で溶けるのを待つよとシャリシャリと噛んで食べるタイプの私はガリガリ君を食べるのも早いから、この時間もきっとほんの少し。
にしても…
いい曲だよね、誰の曲なんだろう。
有名な曲じゃないのかな、あんまり音楽には詳しくないから全然ピンと来ないんだよね。
どこか切なくて、でも温かい…
胸の奥をきゅってさせる。
スルスルと耳に入り込んで来るメロディーが心地よくて、自然と微笑みたくなるような優しい曲。
食べ終わってもまだ聞いていたいくらい…
「やば!当たった!!」
最後の一口を食べてふと視線を下ろした時、残された棒に書かれた文字に気が付いた。
え、初めてなんだけど!
夏休み入ってもう30日、1回も当たったことなかったのに!
「やった…っ」
って声を出して気付いた、こっちを見ている視線に。
「……っ」
「…。」
にこっと微笑んだ。
私を見て、ギターを弾くのをやめたお兄さんが。
柔らかく頬を緩めて笑った。
なんて優しい表情で笑う人なんだろう。
奏でていた曲よりもきゅってなった。
心の奥が、鳴ったみたいに。