「ちょっと、入りたいんだけど」

教室の入り口のところで話していたから明らかに邪魔で、うっとしそうな視線を送られた。

「あっ、ごめん!」

私が悪いんだけど、こんなとこで喋っていたから…でもちょっとビクッとしちゃった。

「あ、(らん)おはよう!」

「おはよう」

えっと、確か折原藍(おりはららん)…さん。
スラっと長い足はモデルさんみたいで、背が高くて少し茶色がかったロングヘアーがしっくり来る美人でクラスでも目立つ存在。

栗本さんとは仲が良くて一緒にいるのをよく見かける。

「ねぇねぇ藍もすごいと思ったよね、望月さんの歌唱力!今度一緒にカラオケ行きたいって思ったよね!」

「うん、でも…」

ちっちゃな私とはたぶん15センチ以上違う、めっちゃ上から見られてる…

てかなんかに睨まれて…

る?

「望月さんって軽音部じゃないよね?」

「あ、それは…!なりゆきというかなんというか…」

副級長栗本さんの友達、だから折原さんもそーゆうルールに厳しかったりするのかな…勝手に飛び入り参加みたいなことしたら他の段取りとかなんとかあるよね。軽音部があったことも知らなかったしね。

「あ、もしかして2学期から入るの?」

栗本さんがパンッと両手を合わせた。そんなわかった!みたいな顔されても逆に困るっていうか。

「そうゆう人もいるよね!」

「いや、別にそーゆうわけじゃ…」